リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

今年の映画、今年のうちに。2012年映画ランキング。

マヤの予言も外れた2012年大晦日。今年もやります個人的映画ランキング。新作鑑賞数は劇場で54本、DVDで7本の合計61本です。それではさっそくベスト10&次点を発表します。



次点 『ダークナイト ライジング』
明らかに欠点だらけだし、どうかと思う作品です。しかし僕はこのシリーズが好きなんです。3部作の最後としてきちんと有終の美を飾ったと思いますし、良いところもいっぱいあったと思います。おそらくトップ10内の作品のいくつかより見返すことも多いでしょう。なので「次点」という特別な立ち位置にするのが妥当かと。



10位 『ロボット』
アクション!美女!ダンス!ロボ!変形!合体!お腹いっぱいだね!



9位 『おおかみこどもの雨と雪
前半のセリフなしで語られる夫婦描写や、中盤の教室横移動、そしてラストのカーテンを使った演出など、アニメーションとして素晴らしかったかなと。そして孤独を抱えた人の話であるという点も好きかな。



8位 『アウトレイジ ビヨンド
前作と併せ、これは任侠から実録路線の流れを汲む、やくざ映画の最新形だと思います。またキタノ映画はかつて死にたがる男を主人公としていましたが、この作品では新しい段階を見せてくれたのではないかなとも思っています。ちなみに大友&木村vs関西の花菱会は今年のベストバウトです。



7位 『哀しき獣』
やってくれます韓国映画。アクションとバイオレンスのつるべ打ちにノックアウト。ギラギラとした男たちの、まさに獣のような衝動は、かつてまだ三角印が暴力印だったころの東映映画を思わせます。前半の殺害シミュレーションシーンも良い。



6位 『エクスペンダブルズ2』
前作はそんな好きじゃなかったんですけど、今回はハマるべきところにビシッとピースがハマった感じ。それが映画として正しいかどうかは知りませんが、エクスペンダブルズ的には大正解なのです。



5位 『ダーク・シャドウ
バートンが自身の過去作を詰め込み、そしてそれらに別れを告げるような作品だったと思う。特に魔女の話なんかいかにもバートン的で泣けました。まぁそれ以外にも女優陣は皆すこぶる魅力的だし(クロエちゃんの太もも!)、悪い冗談としか思えないストーリーも最高じゃないですか。ラストだってゲロを吐き出したりモンスターが出てきたり色々大変ですよ。でもなんか評判は良くないみたいなんだよねー。なんでだべ。



4位 『プロメテウス』
壮大なイマジネーション溢れるSF大作・・・という皮を被った悪趣味グログロぐっちゃー!な映画でしたね。あの帝王切開のシーンは今年ベストの衝撃だったのでは。あとあの人がアレの下敷きになってつぶれるところとか。リドリー・スコットの70過ぎてこんなものを作るパワーに驚愕です。あとこの作品に関してはIMAXで見たというのもでかかった。やっぱりビジュアルも圧倒的で、それがまた素晴らしいと。



3位 『サニー 永遠の仲間たち』
これは予想外の傑作でした。青春時代とは輝かしいものでもあるけど、同時に非常に残酷でもあるということをこの作品はしっかり描いている。「昔はよかった」なんてところに閉じこもってないのも素晴らしいです。いやぁ、ボロボロ泣いてしまいましたね。あと何と言っても、サニーのメンバーはもちろん、登場人物が皆とにかく魅力的なのが最高ですよ。それに音楽の使い方とか、現代と過去が入れ替わるシーンも見事ですよねぇ。



2位 『桐島、部活やめるってよ
今年を代表する一本であり、おそらくエポックメイキングな青春映画として今後語られる作品になるでしょう。ただそんなことはどうでもよくて、僕にとっては青春時代の自分の妄想を叶え(食い殺せ!)、そして今の自分の背中を押してくれた映画だった。だからホントにもう大好きというか、感謝していますね。ボロ泣きでした。多様な視点を提供している映画に対し単純化した褒め方をしていますが、個人の感想なんだからいいだろう。とにかく前田は俺なんだと、そう思えました。



1位 『ホビット 思いがけない冒険
これはもうしょうがないでしょう。再び中つ国に戻れる日が来るとは!そしてこんな素晴らしい作品になっていたとは!小中学生のころ、一番映画にわくわくした、あの気持ちを思い出させてくれる映画でした。これを体験したくて映画館行ってんだ!え?これがあと2年も見れるの?やったー!



<総評>
わ、わしらが1位だよ!いとしいしと!というわけでこのようなランキングとなりました。まぁ『ホビット』が1位なのは『ロード・オブ・ザ・リング』を人生ベストの1本にしている僕にとっては必然なのかなと。もちろんただ思い出深いというだけでなく、非常に完成度の高い映画であることも間違いありません。その点から見てもこの順位で全く問題はない。ただこれを1位にしてしまったらあと2年は『ホビット』が1位になり、ランキング選定が面白くないのでは?という問題はありますが。
実は今年上半期の時点では「今年は不作かな」なんて思っていました。いい作品はいくつかありましたが、決定的な作品は『サニー』くらいしかなかったのでね。しかし下半期になると良作が多く、結果的になかなか豊作な年だったと思います。特に『プロメテウス』と『桐島〜』には驚きました。前者はまさかこんな内容だとはという驚き、後者は全然注目していなかった映画だったけどという驚き。こういう驚きはいくらあっても良いのものですね。
それでは、以下おまけとして全ランキングも載せておきます。豊作という事もあり、結構下位の42位までは好意的な気持が上回っている作品です。というわけで43位が何か、というのにも注目して見ていってください。それではどうぞ。



1位 ホビット 思いがけない冒険
2位 桐島、部活やめるってよ
3位 サニー 永遠の仲間たち
4位 プロメテウス
5位 ダーク・シャドウ
6位 エクスペンダブルズ2
7位 哀しき獣
8位 アウトレイジ・ビヨンド
9位 おおかみこどもの雨と雪
10位 ロボット
11位 ダークナイトライジン
12位 007 スカイフォール
13位 アベンジャーズ
14位 ドラゴン・タトゥーの女
15位 小悪魔はなぜモテる?!
16位 捜査官X
17位 おとなのけんか
18位 悪の教典
19位 裏切りのサーカス
20位 高地戦


12位以下もベストといってもいいくらいの作品が並んでいますね。15はDVDスルーで、しかもこのタイトルという、今年最ももったいない扱いを受けた映画だと思います。20は唯一劇場鑑したのに感想をかけなかった作品。理由は単に年末に見たため時間がなかったからですね。非常に悲痛な、しかし必見の戦争映画でした。


21位 ゴモラ
22位 アニマル・キングダム
23位 ヒューゴの不思議な発明
24位 ビースト・ストーカー/証人
25位 戦火の馬
26位 任侠ヘルパー
27位 預言者
28位 終の信託
29位 J・エドガー
30位 黄金を抱いて翔べ


犯罪映画が多くランクインしていますね。イタリアンマフィアの実態を描いた21、オーストラリアに実在した犯罪一家の物語である22、香港ノワールの24、フレンチノワールの27、そして30には日本の犯罪映画ですね。あと特筆すべきは26、これは「テレビドラマ上がりにしては・・・」とかじゃなくいい映画でしたよホント。


31位 ヒミズ
32位 フランケンウィニー
33位 夢売るふたり
34位 アーティスト
35位 アタック・ザ・ブロック
36位 私が、生きる肌
37位 ファミリー・ツリー
38位 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(+巨神兵東京に現る)
39位 ウィンターズ・ボーン
40位 アナザー・プラネット
41位 テイク・シェルター
42位 ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜


34、37、39、42あたりは良い映画だとは思うんだけどそんなに好みじゃなかったんです。33は面白いし、今年一番反響あった記事なんだけどこの順位。でも松たか子の演技はここじゃもったいないくらい凄かったねぇ。36は変態すぎてビビった。38は保留に近い順位です。


43位 アメイジングスパイダーマン
44位 シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム
45位 メン・イン・ブラック3
46位 イップ・マン 誕生
47位 メリダとおそろしの森(+月と少年ニセものバズがやって来た)
48位 アクシデント 意外
49位 フライトナイト
50位 レ・ミゼラブル


サム・ライミスパイダーマンどうこうという話を抜きにしても、43は好きになれなかった。まぁつまらなくはない、というか楽しいっちゃ楽しいんですがね。このあたりの作品はいいところもあるんだけど、ちょっと不満の方が勝ってしまったものが並んでます。47は、本編はとりあえず置いといてもいつまでも『トイ・ストーリー』に頼るのはどうなんでしょうピクサーさん。本編よりおもしろい短編っていうのは、残念度がより高いですよ。評判のいい50も、僕にはちょっと苦痛でした。


51位 テルマエロマエ
52位 バトルシップ
53位 ドライブ
54位 タイタンの逆襲
55位 劇場版名探偵コナン 11人目のストライカ
56位 ALWAYS三丁目の夕日'64
57位 メランコリア
58位 貞子3D


ここからまた評価が一段下がる感じです。51はいいところもありますが、後半が酷い。この順位じゃないと、上の作品に失礼。52はジジイ集結!とかアツいところもあるけど、あまりの主人公優遇っぷりなど不満が圧倒的。カルト的人気を誇る53はそのフェティッシュさに全くノレず。57はねぇ、なんかこう俺の鬱とは違うっていうか、だからまぁどうぞご勝手にって感じ。貞子を完全にモンスター化させた58は、姿勢としては間違ってないと思う。変にドラマとかいれずもっとふっきれた作品ならスゲェ面白かったかもしれないので、続編があればその方向に期待。



<ワースト3>

59位 りんご農家の少女
まだ公開していない短編映画だけど、特別上映で鑑賞。本当に退屈でした。横浜聡子監督は『ウルトラミラクルラブストーリー』もスゲェつまんなかったけど、これは『ウルトラ〜』ほどメチャクチャじゃない分、普通に退屈だった。


60位 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
これもホントどうしようもない映画だった。なんだよバナナって。あほか。しかし一番思うのは、こんな地味な話で終わりって、いやありがたいけど制作者とかファンはこれでいいの?ということである。


61位 ヘルター・スケルター
「やっと会えたねタイガーリリー」というわけで今年のワーストはヘルター・スケルターです。えーまあ理由は色々ありますが、最大の問題はキャッチコピーで「見たいものを見せてあげる」と言っているにもかかわらず、見せてきたのは監督のセンス自慢だったところですかね。見たくねえし。で、しかもそのセンスがどうしようもなくダサいのでそもそも見ていられない。沢尻エリカがかわいそうです。



はい、以上今年の映画ランキングでした。しかしこの調子だと来年もホビットが1位になりそうですが、他にもいろいろ面白そうな作品が控えているので楽しみですね。それではみなさん、よいお年を。