リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『ピラニア3D』を見た。

映画による快楽責め


世の中には様々な映画がある。アカデミー賞を受賞するようなものからテレビ局主導のもの、派手なCGを使ったものもドキュメンタリーも文芸映画も実験映画もともかく様々だ。
しかし、その中にもこういう映画がある。「一般的な常識人を怒らせる低俗なもの」だ。たとえばスプラッター映画がそうであると思う。「人が殺されたり卑猥な表現が出てくる映画を見て喜ぶなんて下劣な」ということだ。


さて、本作はジェームズ・キャメロンも(その低俗さを)認める下劣さ全開の素晴らしい映画だ。え?こんな映画のどこが素晴らしいかって?まずはおっぱい、そして食いちぎられる肉体、様々な人体破壊描写、群れで襲いかかるピラニア、その他もろもろ全てだよ!


こんなことを言うと呆れられるかもしれない。確かにそれは分からんでもないが、この映画はブラックユーモアとして楽しむもようなものだ。そもそも映画は見世物的なもんだろ!という基本に立ち返り、観客にとにかく快楽を与えようとする純粋な姿勢をこれでもかというくらい感じることが出来る映画なのだ。


ストーリーは、湖ではしゃいでる馬鹿野郎どもや馬鹿学生どもを太古のピラニアが襲うという単純なものである。よくわからないけどスプリングブレイクという、いわゆる「リア充」な男女がエロ魂丸出しになって騒ぎまくる不快極まりない(ホントは混ざりたい)お祭りがあるようだ。このお祭りが一瞬にして血祭りになっていくさまが大変素晴らしい。本人たちにとっては悲劇というしかないであろう大惨事だが、観客は大人の親切心もわからず騒ぎ立てる馬鹿どもが死んで行くのを心行くまで楽しめると言うわけ。死ね!ブハハッ!!
ここでピラニアによって起こされる凄惨な光景のグロさは目を見張るものがある。ジョーズの一気にガブッ!グエッ!!とは違い肉をむさぼるという感じなので死なずに足だけ骨になったりするし、二次災害的に起こる人体破壊にも非常に気合が入ってるのだ。『プライベート・ライアン』かよ、と言いたくなるようなむごい映像を見せてくれるアレクサンドル・アジャのサービス精神に拍手ですよ。
またそのサービス精神をエロ方向に向けることも忘れていない。久々にぷるるんとしたおっぱいを劇場で堪能することが出来たし、水中レズなど親子で見たら気まずくなるどころの騒ぎじゃない素晴らしいシーンの連続でしたよ。ちんこもプカーっとね、浮いてるし。



というわけで観客を黒い笑いへと誘う様々な要素がちゃんと噛み合わさって快感へと変わる大変楽しい映画です。劇場でやっているうちに駆けつけることをお勧めします。いや、しかしあいつの死にざまは見事だったなぁ。死ぬ直前でもあそこまでスケベでいられるとは・・・。

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