リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

2014-01-01から1年間の記事一覧

今年の映画、今年のうちに。2014年映画ランキング

年の瀬でございます。というわけで今年もやります。2014年に見た新作映画ベストテンです。ちなみに今年は年内に続編の公開される作品が何本かあったため、続編ものは一本に纏めることにしました。というわけで、今年は62本からの選定になります。それ…

『インターステラー』を見た。

宇宙、それは最後のフロンティア マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、マイケル・ケイン、ジャシカ・チャスティン、ケイシー・アフレックらが共演する宇宙を舞台としたSF映画。監督はクリストファー・ノーラン。 異常気象と食料難による地球の危機の…

『ホビット 決戦のゆくえ』を見た。

ゆきてかえりし物語 J・R・R・トールキンによる『ホビットの冒険』を映画化した三部作の最終章。原題は「The Battle of the Five Armies」であり、人間、エルフ、ドワーフ、そして闇の勢力を含めた大戦争シーンが描かれる。 湖の街・エスガロスを襲ったス…

『ゴーン・ガール』を見た。

愛の作家・フィンチャー 2012年に発表されたギリアン・フリンによる同名小説の映画化。監督は鬼才デヴィット・フィンチャー。主演にはベン・アフレックとロザムンド・パイク。脚本は原作者自身が担当している。 ミズーリ州。妹とバーを経営するニック(ベ…

2014年12月1日

菅原文太が亡くなった。年齢を考えれば、確かにおかしなことではない。だがそれでもショックだった。あの菅原文太が、亡くなったのだ。 何世代も年齢が離れている僕は、その姿をスクリーンで見たことがない。リアルタイムではせいぜい、『千と千尋の神隠し』…

『フューリー』を見た。

ぼくたちのしごと ブラッド・ピット主演・制作の戦争映画。はじめて本物のティーガー戦車を撮影で使用したことでも話題に。共演はシャイア・ラブーフ、ローガン・ラーマン、マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサルら。監督はデヴィッド・エアー。 1945…

『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』を見た。

萌えアクションスター大全 2010年に始動したエクスペンダブルズシリーズ最新作。お馴染みのメンバーに加え今回からウェズリー・スナイプスにアントニオ・バンデアス、ハリソン・フォードが参加し、悪役としてメル・ギブソンも出演している。監督はパトリ…

アニメ映画ベストテンに参加するよ

2014-10-31 というわけで、毎年恒例年間ベスト前のお祭り。今年はアニメ映画ベストテン。僕はアニメに特別強い思い入れのある作品があまりないので、色々悩みつつ、今回はこの10本にしてみました。 1位『時をかける少女』 (2006年 細田守)2位『魔法少女…

最近見た新作の感想その12

『フライト・ゲーム』 『NON-STOP』というタイトルの通り離陸したら最後、地に足のつかない不安定な状況にリーアム・ニーソンだけでなく観客も揺さぶられ、ダイナミックな着陸まで制御不能なサスペンスにまんまと乗せられてしまう。このゲームに乗せられてし…

『思い出のマーニー』を見た。

君が思い出になる前に スタジオジブリ最新作であり、米林宏昌監督の2作目。原作はジョーン・G・ロビンソンによるイギリスの児童文学。声のキャストには 高月彩良、有村架純、松嶋奈々子、寺島進、森山良子、黒木瞳、更に北海道が舞台という事もあり、TEAM …

最近見た新作の感想その11

『TOKYO TRIBE』園子温監督がラップ・ミュージカルに挑んだ意欲作だが、はっきり言って面白くない。ラップについては、僕は詳しくないけど染谷将太が最初に唄い出すところから基本的には皆カッコよく聞こえるので、そこはいいと思う。また役者で言えば、鈴木…

最近見た新作の感想その10

『ジャージー・ボーイズ』 結婚に至るまでの過程や、長い年月をいとも簡単にすっ飛ばしてみせる大胆な編集。必要以上のことはくどくど語らず、時に登場人物が観客に語りかけることで情報を処理してしまう手際を目の当たりにして僕が思ったのは、どこか不気味…

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を見た。

踊るポンポコ銀河守護者 MCU最新作(10作目)にして、久々のシリーズ1本目。原作は2008年に初登場した、かなり新しい作品だという(ちなみにMCU1作目である『アイアンマン』公開年と同じ)。主演はクリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バ…

『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』を見た。

高速の剣 鈍足の語り 2012年に公開され大ヒットした『るろうに剣心』の第2・3弾。原作は94年から99年にかけて連載されていた和月伸宏による同名漫画。佐藤健、武井咲、蒼井優、青木崇高、江口洋介、藤原竜也、神木隆之介、伊勢谷友介らが出演して…

最近見た旧作の感想その21〜上半期ベスト編〜

今更ですが、上半期に見た旧作のベストについて書こうと思います。特に順位はなく、今年の1月から6月の終わりまでに見た旧作映画の中で特別面白いと思った作品について、一言程度感想を書きつつ、ただ羅列したいと思います。ちなみに、並び順には特に意味…

『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』を見た。

とは云うものの、お前ではなし ボブ・ディランが憧れたという伝説のフォークシンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録にインスパイアされた作品。監督はコーエン兄弟。2013年カンヌ国際映画祭において審査員特別グランプリを受賞。第86回アカデミー賞…

最近見た新作の感想その9

『マイ・ブラザー 哀しみの銃弾』車と、そして道路が印象的な映画だった。例えばロングショットの画面に佇む姿であるとか、もしくはその画面内を進んでいく姿や、また曲がり角といった限定的なポイントでの車と道路などといったものが、この映画において僕の…

最近見た新作の感想その8

『トランスフォーマー/ロストエイジ』マイケル・ベイが、『ペイン&ゲイン』という病気スレスレの凄い作品を撮った直後にこの『トランスフォーマー/ロストエイジ』を撮ったことを考えると、「マイケル・ベイはバカ映画ばっかり撮ってるしょうもない監督」な…

『戦慄怪奇ファイルコワすぎ!史上最恐の劇場版』を見た。

狂い咲きゴーストハンター フェイクドキュメンタリー界の鬼才・白石晃士監督によるビデオシリーズ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』の第6弾で劇場版。お馴染みの大迫茂生、久保山智夏に加え、前作に引き続き宇賀神明広も出演。そしてカメラマン・田代はお馴…

『GODZILLA ゴジラ』を見た。

ゴジラ、いかなるものぞ ハリウッドで制作されたゴジラ2作目。といっても前作であるローランド・エメリッヒ版との繋がりはなく、完全新作として復活。監督は本作が長編2作目となるギャレス・エドワーズ。主演はアーロン・ジョンソンに渡辺謙。そしてゴジラ…

最近見た新作の感想その7

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』爆発する輸送機から目が回るような落下の後、突如として戦場に放りだされる緊張感と恐怖に、あまりにも馬鹿馬鹿しすぎる数々の死に様、エミリー・ブラントの目や肉体から出る説得力、そして逃げる男=トム・クルーズの情…

『her 世界でひとつの彼女』を見た。

もうすぐ 僕らの 何かが 変わるよ 人間とOSの恋を描いたスパイク・ジョーンズ監督によるSF恋愛映画。アカデミー賞では脚本賞を受賞したほか、作品賞、監督賞、美術賞、歌曲賞、作曲賞でノミネートを受けた。 少し未来の、ロサンゼルス。手紙の代筆を仕事…

『罪の手ざわり』を見た。

あなたに罪を定めない 中国で実際に起こった事件をもとに、4つの異なるエピソードから構築された作品監督は、今や中国を代表する映画監督である賈樟柯(ジャ・ジャンクー)。第66回カンヌ国際映画祭において、脚本賞を受賞している。 現代の中国。村で共同…

最近見た新作の感想その6

『ノア 約束の舟』ダーレン・アロノフスキー監督としては、「神からのお告げに憑りつかれておかしくなっちゃった人」というのを描きたかったのだろうなと思うし、面白いのもその部分ぐらいだった。基本的にビジュアルは凡庸であり、アクションシーンの見せ方…

『グランド・ブダペスト・ホテル』を見た。

むかしむかしあるところに ウェス・アンダーソン監督によるオールスターキャスト映画。レイフ・ファインズ、トニー・レヴォロリ、シアーシャ・ローナン、ティルダ・スウィントン、ジュード・ロウ、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴー…

『アクト・オブ・キリング』を見た。

正常で健全な殺人者 イギリス・デンマーク・ノルウェーで制作されたドキュメンタリー映画。インドネシアのスカルノ大統領がクーデターにより失脚した後行われた、共産党員狩りと称する虐殺に関わった人物たちを追ったドキュメンタリー映画。エンドクレジット…

『X-MEN: フューチャー&パスト』を見た。

君らといた未来のために 2000年に始まった『X-メン』シリーズ7作目。監督は2003年のシリーズ2作目から久々にメガホンを取ることとなったブライアン・シンガー。キャストにはシリーズからお馴染みの面々が集結している。 2023年。センチネルと…

『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』を見た。

世界が終わる夜に 『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』等で知られるエドガー・ライト監督、サイモン・ペッグ、ニック・フロストのコンビ最新作であり、ブラッド&アイスクリーム三部作の最終作となっている。マーティン・フリーマンやロザムン…

最近見た旧作の感想その20

『ハンテッド』(2003) ウィリアム・フリードキン監督による、ナイフ一本で殺し合う男たちの、戦いの映画である。他には何もない。二匹の獣が殺しあう。それだけである。状況に合わせ、的確に相手の体めがけ彼らはナイフを突き立てる。痛みの伴う描写の数々は…

『アデル ブルーは熱い色』を見た。

ハートに青の火をつけて 第66回カンヌ国際映画祭において最高賞パルム・ドールを受賞した作品。受賞は監督のアブデラティフ・ケシシュだけでなく、史上初めて主演女優の2人にも送られた。原作はジュリー・マロによるフランスノグラフィック・ノベルである…