リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

最近見た映画のざっくりとした感想。

えー年末ですね。すごく忙しい時期ではあると思いますが、僕はこの期間色々と映画を見ておりまして、それでいつものように感想を書きたいと思うのですが長々と書いている時間がない。と言うわけでいつものようにダラダラ書くのではなく1記事2・3本くらいにして2回に分けて書こうと思います。



聯合艦隊総司令官 山本五十六
日本史が苦手で大した勉強もしなかった僕にとって、こういう映画を見るときにはまず「理解できるかしら」という不安がつきまとうのですね。今回もやはり見る前はその事が若干不安でした。しかし、劇中で丁寧に当時の日本がどういう状況だったのか説明してくれるので問題ありませんでしたね。勉強になります。当時の軍内部からマスコミ、世論まで色んな視点から戦争というものを語っていく語り口は良かったと思います。
本作は役所広司演じる山本五十六と言う人物を魅力的に見せている。人間味にあふれ、かつ日本を率いる立場としての鋭い目線も持ち合わせいる人間だということを、しっかり描写できていただろう。それが特に印象的なのは五十六が食事をとるシーンにある。劇中、何度か食事のシーンはあるが、それぞれが彼の人間性をあらわしていたのではないかな。


しかし、全体としてはそこまで面白いと思えなかった。まず本作は戦争スペクタクルとは違う映画であるとはいえ、さすがに戦闘シーンがあっさりしすぎというか、興奮がなかった。確かに映画全体が落ち着いたトーンではあるが、どうせそういったシーンを入れるなら、もう少し熱を入れて、燃えるような描き方をしてもいいのではないか。と言うかそうじゃないとさすがにこの上映時間の長さは退屈だよ。せめて一つだけでもここはド派手な見所です!というシーンがほしかった。
それに田中麗奈である、彼女が出てくる小料理屋のシーンは不必要にもほどがある。映画として不自然に絡んできていると感じてしまった。当時の市民を描くのだとしても田中麗奈の役は本当に要らなかったと思いますね。


さて、太平洋戦争を描いた本作が<今>作られた理由。それは現代に通じるものがそこにあったからに違いないでしょう。世界恐慌による経済不安、相次ぐ首相交代、そして原発事故。問題を丸投げする者、自分の身だけは守ろうとする者、真実を伝えようとせず国の言いなりでしかないマスコミ、踊らされる世論。犠牲になる者たち。終戦から70年近く経った我々が、今経験している事との間に多くの共通点がみられるのだ。不満な点も多かったし退屈だった部分もありましたが、意味のある映画だったとは思います。

聯合艦隊司令長官 山本五十六

聯合艦隊司令長官 山本五十六




恋の罪
園子温監督は『愛のむきだし』以降からのファンというか、それ以前は全く知らない監督で、『自殺マニュアル』と『エクステ』くらいは知っていましたが、監督で認知していたわけではありませんでした。
ただその『愛のむきだし』と『冷たい熱帯魚』がとんでもない傑作だったのでこれはもう新作が出れば劇場に駆けつけねば!という感じになっており、地方でもようやく公開されたのでさっそく見てまいりました。
それでこの『恋の罪』ですが。うーん・・・。何が言いたいのかよくわからなかったという感じです。
面白い部分はたくさんありました。まず何といっても女優陣の頑張りと言うかまさに体を張った演技は見事としか言いようがないですね。素晴らしいと思います。フルヌード!これが見れただけでも大変満足であります。神楽坂恵さんは特に、ですね。脱ぐと彼女の魅力が爆発してるといいますか、思わず「スゲぇ・・・」とこぼしてしまいました。ソーセージが大きくなるというのも爆笑です。
それと大学教授である美津子の母親が絡んでくるシーンはすべて最高ですね。こういった部分はもうほんと大好きです。
ついでに、こちらも少し食事と言う事に関して考えてみますと神楽坂恵演じるいずみが何かを食べてるシーンと言うのはどれも抑圧から解放されてる時だけですね。夫婦のシーンではそれが一つもないというのが面白かったです。


しかしまぁダメと感じた部分もあってですね。それは大学教示の美津子が出てきて何だか詩だとか抽象的な事を言い出す部分からどうも乗れない、と言う事です。ちょっと何言ってるか分からないって感じでしたね。なんだかんだ難しい事言ったり心の闇を描写したりしてるわけなんですが、要はセックス依存症ってことじゃないのかね。それに女性とはこういうもんだ、というようなことを言うシーンでは「えーそうなのかなぁ」となんか思ってしまったんですね。なんだっけ、性によって女性は解放される見たいな感じの事ですね。ごめんなさいねこんなぼんやりした感想で。年末なんで許してください。

恋の罪―愛にさまよう女たち (リンダブックス)

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