リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

SF映画ベストテンに参加するよ。

2013-10-31

というわけで、今年も「男の魂に火をつけろ」さんのベストテン企画に参加します。今年のお題はSF映画ベストテン

1位『ジュラシック・パーク』(1993年 スティーブン・スピルバーグ)

2位『トゥモロー・ワールド』(2006年 アルフォンソ・キュアロン)

3位『宇宙戦争』(2005年 スティーブン・スピルバーグ)

4位『マトリックス』(1999年 ラリー&アンディ・ウォシャウスキー)

5位『WALL・E』(2008年 アンドリュー・スタントン)

6位『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000年 細田守)

7位『未来世紀ブラジル』(1985年 テリー・ギリアム)

8位『デモリションマン』(1993年 マルコ・ブランビヤ)

9位『宇宙からのメッセージ』(1978年 深作欣二)

10位『バッド・テイスト』(1987年 ピーター・ジャクソン)



SF映画と一言で言っても範囲は広く、どこまで入れていいものか悩んだ。その結果、他のジャンルで括る方がふさわしいような作品(ホラー、青春、怪獣・怪奇特撮など)や、面白いけどセンス・オブ・ワンダーとは違うかも・・・という作品(『華氏451』『赤ちゃんよ永遠に』など)は一部を除き外すことに。そんな中最後まで入れるか迷ったのは、オリジナルの『トータル・リコール』と『マーズ・アタック!』、そして『ファンタスティック・プラネット』『機動警察パトレイバー the Movie』くらいかな。ちなみに途中まで『トラック野郎 突撃一番星』を「星桃次郎がUFOにハマるから」という理由でランクインさせていたのだが、コメントを書いている途中で正気に戻った。以下、各作品についての詳細なコメント。



センス・オブ・ワンダーという事ならば、幼少期に何度もVHSで見返した『ジュラシック・パーク』が個人的に最もそれを感じた映画だと思う。これはホントもう、夢中になった。これがきっかけで恐竜雑誌(週刊恐竜サウルス)も読んでたくらいである。またスピルバーグは、僕が映画好きになるきっかけとなった人なのだが、これはその中でも特に思い出深い1本でもある。ちなみに『ロスト・ワールド』に関してははじめ見たときは超面白いと思っていたのだけど、後に評判が悪いと知ってびっくりした。なんでだよ面白いだろ。エレクトロニック・アーツから出たゲームもやったし、劇場で見てもいるのでこれもまた思い出深い作品。『3』も見どころは多く、決して悪い作品じゃなかった。2015年公開予定の『4』にも期待。

トゥモロー・ワールド』は映像を見るということの楽しみや驚きを存分に味あわせてくれる傑作。暴力も破壊も無秩序も奇跡もすべては驚くべき映像によって力強さを得ていた。「テスト期間だから」と劇場公開時スルーしてしまったことが悔やまれる。当時の僕を全力でビンタしてやりたい。ちなみに、この間『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』をちらと見たのだけど、ここでもキュアロンはやっぱり長回しなど凝ったことをやっていて、ちゃんと見返した方がいいかぁなんて思ったりもした。

1監督1本にしようと思っていたのだけど、どうしても『宇宙戦争』は入れたかった。2位と同じく、ひたすら殺戮と破壊の地獄世界を巡る本作はどう考えても素晴らしいし、渋滞と破壊と殺戮を描きながらも、途中でメタや政治で目くらましをしたゴダールの何倍も偉いのである。『ジュラシック・パーク』とほぼ同じテーマで、ラスト、文明に対し自然が勝つという皮肉まで同じなのも面白いところ。

公開当時小学生で『マトリックス』の真似をしなかった男子がいるだろうか。いや、いるまい。『ディープ・ブル−』とはしご見したなぁとか、『リローデッド』のときはサングラス買おうか悩んでいたこととか、『レボリューションズ』見た日は初雪降ったなぁとか、そんな映画外の事も思い出されるシリーズである。物語が複雑になるのとは裏腹にどんどんアクションがガキ化していく続編も今となっては好き。

なんとロマンチックで、可笑しく、可愛らしい映画なのだろうと思っていると意外な風刺や皮肉にヒヤリとする『WALL・E』をアニメでは一番上に置きたい。表現力のすさまじさにも驚かされる。「大学受験期だから」とスルーしてしまったのが悔やまれる。

ぼくらのウォーゲーム』はワンピース目当てで見に行ったらこっちの方が断然面白くてビックリした作品。懐かしき東映アニメフェアである。この作品を見た映画館も、今では閉館になってしまったのだなぁ。ちなみに、あまり話題にならないがその前に細田守が撮った劇場版も面白い。

書類とダクトの悪夢世界『未来世紀ブラジル』において、最悪なのは度々出てくる母親。あの母親が出てくるシーンは大体酷い。死体になっても「うげぇ」と思わせてくれるんだから凶悪である。あとはデ・ニーロの素晴らしき無駄遣い。

イデアの勝利、という言葉がぴったりなのが『デモリションマン』。清潔化と平和ボケが極致まで達した滑稽な未来社会は最高だし、そこでオロオロするスタローンもまた最高。

深作欣二は偉大だった。確かにこの『宇宙からのメッセージ』は『スター・ウォーズ』のパクリだし考証も酷い。だが決して悪いところだけではない。敵要塞内部のトンネルを抜けるシーンはカッコいいじゃないか。宇宙船でのチャンバラもいいじゃないか。つまりは、単なる劣化コピーで終らずちゃんと独特の味付けで楽しませてくれるから偉いという事である。地上では若者が無残に死ぬような映画を撮っていたのに、宇宙では純粋に希望を信じるという映画を撮ったのも感慨深い。やはり「せめて夢だけは無限でありたい」という事なのだろうか。ちなみに、深作作品だと『ガンマー第3号 宇宙大作戦』もおすすめ。

バッド・テイスト』はドロドログチャグチャぶっ飛び悪趣味SFだが、それだけではない。これは勇気をくれる映画なのである。恵まれた環境でなくても、自分の好きなもの信じ、熱意とアイデアを注いで全力で頑張ればいいものはできる。そして何より、ニュージーランドで4年もかけて作られたこの自主制作映画があったからこそ、ピーター・ジャクソンは後にハリウッドの頂点に立つことができたのだ。「オタクだって、やればできる」。本作とその後のキャリアは、まさにそのことを証明しているのだ。



以上、個人的SF映画ベストテンでした。それでは、集計よろしくお願いします。