リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『スプライス』を見たんだけど

なんだこの映画・・・


新年1発目の映画!ということで何日か前に見てたんですが色々あって書きそびれてました。


スプライス』 監督は『CUBE』で有名なヴィンジェンソ・ナタリ。しかもギレルモ・デル・トロが関わってるとなりゃこの時点でまあ普通の映画じゃねえんだろうなあという臭いがしてましたが、予想の斜め上をいく珍作でした。




ストーリーは、製薬会社に勤める科学者クライヴとエルザは新薬開発に使えるタンパク質の作り出すため、多種な生物の遺伝子を結合させ新種の生物を生み出すが、会社の上司に色々忠告されちゃう。それに反発した二人は新たに実験を開始し、またもや新生命体を生み出す。ドレンと名付けされたその生物は急速に成長していくのだが・・・というもの。



この映画を見て思い出したのは『イレイザーヘッド』と『エイリアン』。とくに僕は『イレイザーヘッド』っぽいように思いました。


エルザは新種の生物を自分の子供のように育てるのだが、もともと彼女は妊娠することに対して消極的でした。それはおそらくエルザが虐待を受けていたからであると推測される。実験体であれば本物の子供に対する責任とは違うと考えたのだろうか。

一方クライヴは最初からこの生まれたドレンちゃん(メス)を処分しようとするので「確かに倫理観を軽くとび越えた実験だけどさ、殺すのはかわいそうだよぉ」と観客は思い、いやな奴に見える。だが、彼もドレンに対し次第に愛情を感じるようになる。というか父親みたいになってくのだが・・・


ここから先はある程度のネタバレ



エルザはだんだん自分の言う事を聞かなくなってきたドレンに対し過度に厳しく当たるようになる。自分が母から受けた事を娘にもしてしまうのだ。それに対しなんだか妙にドレンを気に掛けるクライヴ。

↑この後SEXします


いや、たしかにねえ人間っぽいよ?でもさすがにコレには欲情しないよね・・・まあ一応理由づけ的なものはあるけど。
因みに、このSEXはエルザに見つかります。もちろんエルザはその場からすぐ立ち去りますが、クライヴが半ケツで追いかけるシーンがうける。



というわけで色々と都合が悪くなったので処分しようとすると・・・ここからまた何とも言えない「・・・」という展開になっていく。ほんとなんだこの映画。とつぜん悪趣味全開のグロシーンとか出てくるし。伏線とは言え。





ともかく登場人物が色々とぶっ飛んだ倫理観を持った映画で、見た後何とも言えない気分になる映画ですので見る価値はあるかも。というわけで新年1発目にはふさわしいと言えない映画の紹介でした。ドレンとかクリーチャーの造形が性器を思わせるところもあるし。なんだこれ・・・。


ああ、あとびっくりしたのはパンフレット発行されてないって言われたことだね。こんなん初めてだわ!




[SPLICE] 辞書では[組みつなぐ、<人を>結婚させる、<DNAを>結合させる]