リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

ホラー映画ベストテンに参加するよ。

「男の魂に火をつけろ!」さんのベスト企画に参加させていただきます。今年はホラー映画ベストテン。

1位『CURE』(1997年 黒沢清)

2位『マタンゴ』(1963年 本多猪四朗)

3位『顔のない眼』(1960年 ジョルジュ・フランジュ)

4位『イレイザーヘッド』(1977年 デヴィット・リンチ)

5位『悪魔のいけにえ』(1974年 トビー・フーパー)

6位『ジェイコブス・ラダー』(1990年 エイドリアン・ライン)

7位『何がジェーンに起ったか?』(1962年 ロバート・アルドリッチ)

8位『リング』(1997年 中田秀夫)

9位『ペット・セメタリー』(1989年 メアリー・ランバート)

10位『地獄』(1960年 中川信夫)





『CURE』1位は『CURE』というか、もう「黒沢清」である。『地獄の警備員』の暴力描写、笑いと恐怖が同居する『ドッペルゲンガー』『蜘蛛の瞳』、ホームドラマであるはずの『トウキョウソナタ』ですら、とにかく黒沢清の映画は恐ろしい。
中でも『CURE』『回路』が僕はやはり最高に恐ろしいと思っている。日常がゆっくり浸食されていく感じ、乾いた暴力、ワンカット自殺、不穏さを感じさせる画面、人と人は繋がりあえない、「死は永遠の孤独」、連鎖していく殺人、そして世界がゆっくりと終わりへ向かっていく・・・。これらはことごとく僕の琴線に触れ、恐怖のどん底に突き落としてくれるのでした。
で、どちらもオールタイムベストで好きな映画ですが、やはり最初に衝撃を受けた『CURE』を1位に選ぶことにしました。

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マタンゴ
これはまあ映画史に残る、特撮ホラーの傑作でしょう。映像も素晴らしいですが、極限状態でエゴをむき出しにし、いがみあう人間達のドラマが非常に恐ろしい。醜いマタンゴとは、欲望に負けていく人間のことなんですね。
ちなみにウィキペディアを読んでみると、「役にはそれぞれ元となったモデルが存在し〜当時六本木で騒いでいた連中を酷い目に遭わせてやれと思いながら脚本担当の木村は本作を書き上げた」なんてことが書かれていました。つまり、男女数人で豪華にヨット旅行なんぞする能天気なリア充共は死ね、ということですね。やっぱり素晴らしい映画です。

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『顔のない眼』グロテスクな手術シーンも印象的ですが、父が娘に放つ「マスクをつけろ」という言葉の残酷さ、闇の奥に消えてゆくラストの哀しさこそ魅力的。残酷で恐ろしく、哀しく美しい傑作ですね。

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イレイザーヘッドキモイ・・・

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悪魔のいけにえ説明不要ですね。おそらく今回の企画では1位になるんじゃないかと予想。

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ジェイコブス・ラダー現実なのか悪夢なのか、そんな映像が印象的な映画でした。ちなみに僕の大好きな『サイレントヒル』の元ネタになっている映画の一つですね。
これ→

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『何がジェーンに起ったか?』これをホラーとしていいものかはちょっと迷いましたが、まあ相当に恐ろしい映画なのでいいでしょう。『サンセット大通り』でもよかったかな。

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『リング』これはやっぱり怖い。貞子がにょきっと出てくる場面は今やもうギャグ化していますが、呪いのビデオ、これは今見ても凄いです。他にも直接的じゃない部分が怖いですねえ。それに音の演出、高音がキュゥウイィンって鳴るのも良い感じ。ストーリーも強烈ですよね。多分初めて見たのは小学生のときだったと思うんですが、あのラストは衝撃だった。ダメじゃん!って。

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『ペット・セメタリー』キング原作の作品は多いですが、僕が推すのはワンニャン霊園こと『ペットセメタリー』。哀しくて、救いのない、恐ろしい映画ですね。

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『地獄』
中川信夫監督といえば『東海道四谷怪談』が有名ですが、こちらも凄い。大残酷な拷問を繰り広げる地獄のシーンは圧巻です。しかし本当にすごいのは前半、不幸な因果により登場人物がバッタバッタと死んでゆき、最終的に全員地獄へ落ちるという、<この世の地獄>描写なのです。

地獄 [DVD]

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さて、10本ということで入れることのできなかった映画もいくつかあります。『ウィッカーマン』(オリジナル)『エクソシスト』『怪談』(小林正樹版)『ガス人間第一号』『シャイニング』『ゾンゲリア』『PERFECT BLUE』『ミスト』なんかは迷いました。
ホラー映画でも、怖いとは個人的に違うかなあと思う映画は外しました。モンスター、スプラッター、あとゾンビ映画ですね。怖いけどホラーじゃないかな、という作品も外しました。『ジョーズ』とか『未来世紀ブラジル』とか。まあなんにでも例外はありますが、とりあえず今回のランキングはこんな感じです。