リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

最近見た旧作の感想その22〜下半期ベスト編〜

遅ればせながらあけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。
さて、それではさっそくですが、2014年下半期に見た旧作の中で特別面白いと感じた作品について一言程度感想を書きつつ、羅列していきたいと思います。ちなみに、並びは順位ではなく適当です。上半期ベストに関しては<こちら>に書いてあるので、併せてどうぞ。



『殺人者たち』(1964)
ドン・シーゲル監督によるハードボイルド・アクション映画。サングラス越しにリー・マーヴィンの顔が映り、盲学校で暴力を振るオープニングに引き込まれる。無駄のそぎ落とされた演出と物語展開。容赦なく暴力をふるう男たちの姿に痺れる。リー・マーヴィン銃口を突きつけるショットのカッコよさよ。

殺人者たち [DVD]

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座頭市(1984)
勝新太郎監督による、最後の座頭市。シリーズはまだ全部は見れていないのだけれど、過去作で見られたいくつかの要素が詰め込まれている作品。とはいえ単に焼き直しの枠に収まっておらず、やはり『折れた杖』同様変わっている。風呂場で女と交わる場面は艶っぽいけど、照明が独特な感じ。

座頭市(デジタルリマスター版) [DVD]

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勝手にしやがれ!!』シリーズ(1995〜96)
無類に面白いこのシリーズはどれも『〜計画』と付けられてはいるものの、常に計画とは程遠い行き当たりばったりな行動ばかりしている。登場人物たちがとりあえず動き、行動するために、展開は用意されているかのようだ。ワンカットの中で、室内だろうと人物は横へ奥へとぐいぐい動いていく。個人的に好きなのは1作目の『強奪計画』と5作目の『成金計画』であるが、最終作でありながら突然不気味な世界へ変貌する『英雄計画』も最高。

勝手にしやがれ!! DVD-BOX

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ハウス・バイ・ザ・リヴァー(1950)
些細な出来心から女中を殺してしまう男。その殺人が起こるまでは映画が開始してから数分間しかないが、陰影の際立つ異様に暗い室内と、獲物を狙う爬虫類のような顔を見せるルイス・ヘイワードが素晴らしく、ここだけでもう大満足である。タイトルにもある河の不穏さもやはり、見事だと思います。ちなみにフリッツ・ラングなら『恐怖省』も傑作で、ケーキが爆発するまでの流れであるとか、これまた爬虫類顔のダン・デュリエがハサミで黒電話を回す場面が忘れ難い。



光と闇の伝説 コリン・マッケンジー(1988)
かつてニュージーランドに実在し、そのスケールはグリフィスとも肩を並べるという伝説の映画監督コリン・マッケンジーを追ったドキュメンタリー・・・という体の映画。コリン・マッケンジーの軌跡がまず物語として面白いし、宝探しや秘宝探検的な魅力もある。また恵まれない環境にありながら映画に壮大な夢を託したその野心は、ニュージーランドでコツコツ映画を撮っていたピーター・ジャクソン自身と重なる部分があるように思うし、その姿は『キング・コング』でジャック・ブラックが演じた映画監督によって反復されている。

光と闇の伝説 コリン・マッケンジー [VHS]

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『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-01〜04』(2012〜2013)
劇場版の感想の際にシリーズについても書いたので、<こちら>をどうぞ。シリーズ中でも、特にFILE04は間違いなく傑作です。ちなみに今年見た白石監督の作品だと『オカルト』も凶悪な映画で大変面白かったですね。

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん [DVD]

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『私のように美しい娘』(1972)
『隣の女』や『恋のエチュード』といった映画よりも、僕はトリュフォーなら『ピアニストを撃て』や本作のような、軽妙というか、せかせかとしている映画の方が好み。少女か軽やかに宙を舞う冒頭から引き込まれ、最後まで動き回り振り回されるのがいいんですね。



『ナイトホークス』(1981)
なぜかスタローンに女装させたがる謎演出。劇中、初めて別居中の妻と出会うシーンも、女性マネキンの肩越しに顔をのぞかせるといった具合。こういった珍妙な場面もあるが、渋く薄汚れた雰囲気にルドガー・ハウアーの存在感や中盤の追跡など、アクション映画としてしっかり見所のある作品でもある。



『バンド・ワゴン』(1953)
夜の公園でフレッド・アステアシド・チャリシーが言葉もなく踊り始め、馬車に乗り込むまでの美しい流れ。踊りが恋になっているこのシーンは素晴らしい。またジャック・ブッキャナンが出資者に作品の概要を説明する場面の扉使い色使いが凄まじい。この鈴木清順を思い出すほどに強烈な色使いは、「Girl hunt ballet」で爆発する。

バンド・ワゴン 特別版 [DVD]

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『やくざ観音 情女仁義』(1973)
死がべっとりと張り付いた田中陽造による脚本と、美しくかつ意表を突かれる安藤庄平による撮影。それらをまとめ上げ、全編に渡り異様な空気感と血しぶきが覆い尽くす映画に仕立て上げた神代辰巳。ためらいなく傑作と呼べる、凄まじい作品でした。

やくざ観音 情女仁義 [DVD]

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というわけで、以上が僕の下半期旧作ベストでした。これ以外だと、ヘンリー・キングの『拳銃王』(何故か喧嘩して水をぶっかけられるジジイと暗く孤独な運命の円環!)、フォードの『三悪人』(燃え盛る幌馬車に低位置のカメラと三悪人のキャラクター!)とかカーペンターの『ゼイリブ』(ラストのキレ!)も忘れ難かったんですけど、10本とキリのいいところでやめておきます。
さて、今年の目標としましては、新作の感想を書かないまま溜めないようにしたいですね。と書きつつも、すでに5本溜まっているんですけどね。旧作についても更に色々書けたらいいと思っています。それでは。