リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

いまさら『バトル・ロワイアル3D』

バトル・ロワイアル』の公開ももう10年も前の話・・・。当時僕は9歳なので、劇場で見れるわけもなく、なんとなーく「テレビで話題になってるなあ」という記憶が残っている。

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この映画って今見てみるとただ残酷な、いわゆる「悪い映画」なんかじゃないねって思う。小学生の僕は「これは悪い映画」なんて思ってたし、そう報道されていたのではないか。そう思うとこれは悲しい事である。一体この映画の公開に反対した人は何を見ていたのだろう。




さて、まずは気になった点から言うと、この映画ってなんだか台詞とか演出が恥ずかしいんだよな。『エヴァ』みたいな感じとか。
あと3Dに関しては僕苦手でね。血の量が増えたとかあんまり意味がなかったんじゃないかなと思う。それとエンディングの曲を変えたのは最悪だよ。土屋アンナが悪いわけではないけど、Dragon Ashの曲がすげえいいんですよ。


BR法は混乱した社会で大人が自信をなくし、子供が道を見失い、暴走。それを見て大人は子供を恐れる。そうして子供たちに理不尽に殺し合いをさせるという内容であり、それは大人と子供の対決という構図。崩壊した社会で、責任を放棄し「ガンバレ」というぼんやりとした言葉を残して勝手に死んでいく大人への悪意。反抗心。そしてそんな大人たちが作り上げたむちゃくちゃな社会を生きていく子供たちへのメッセージがこの映画なのだと今回見て初めて分かった。「走れ」というシンプルな言葉に力強さを感じるのは僕がメッセージを送られた世代だからか、もしくは今の社会が10年前よりさらに『バトル・ロワイアル』な社会になってきているからか。なんにせよこの映画は古くなってなどいなかった。



ところで深作欣二監督は『仁義なき戦い』でも権力に振り回される若者を描いていた。その図式が『バトル・ロワイアル』に引き継がれた訳で、監督がなぜそういったことを描き続けているのかと言うと深作欣二監督の人生経験からくるものなのだが・・・その辺の詳しい話はニコニコ動画に「町山智浩のモンドUSA」があるのでそれを聞いたらわかるでしょう。



ニコニコのリンクの貼り方わかんねぇぇぇ。気になった方は検索してね。

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