リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『男たちの挽歌 A BETTER TOMOROW』を見た。

兄弟の挽歌

リメイク版のほうです。オリジナルはもちろん見ています。2までですが。『狼・男たちの挽歌・最終章』と『ハードボイルド〜』は見てます。ジョン・ウーのやつは見てるってことです。




武器密輸組織の幹部ヒョクは脱北の際に生き別れになった弟、チョクと再会するが、チョクは自分と母親を見捨てたことを許さず、自分たちが兄弟でることを認めない。
そんな中、ヒョクは仲間であるテミンに裏切られ逮捕されてしまう。ヒョクを兄と慕うヨンチュンはそれを知り単身敵の元へ殴りこみに行くが、その際足に銃弾を食らってしまう。
刑期を終えたヒョクは弟との絆を取り戻すため堅気に戻るが、刑事になっていたチョクは兄のせいで捜査から外され、2人はそのことでさらに溝を深めていくのであった。
一方テミンはのし上がり、足に銃弾を食らったヨンチュンはしょっぱい生活を送ることを余儀なくされてしまっていた・・・。というストーリー。



面白い点はオリジナルよりもハードになっているということ。登場人物を脱北者にするということで韓国ならではの歴史と憎悪を深めてきます。

さらにチョクの彼女が出てこない。元犯罪者ばかりが集まるタクシー会社も出てこない、つまり心休まる存在がいないことで、より救いの少ない話になっていて、とにかく野郎が憎しみ合って銃を突きつけあったり暴力を振るう話になっています。オリジナルもそうっちゃそうだけど、より硬質的。




さて、ここからは文句です。ネタばれ。


まずがっかりなのは、何と言っても全編にわたって溢れる、無駄に思えるような、それでいて最も重要なポイントであったカッコよさが薄れている事です。
今回のは今回で良いと思いますが、ジョン・ウーのあのような特別なカッコよさがないんですよ。良い、だけではオリジナルには勝てないので、そこは残念です。


さらにラストも「そこまでする必要ある?」という悲惨結末。全然better tomorrwじゃなんですよ。皮肉か。悲しみを増すためだけというか、そこまでする理由がないのにわざわざ・・・。
それにラストに子供時代の思い出映像とかを持ってくるのもやりすぎ。そしてあの歌・・・。


兄弟愛をオリジナルよりも湿っぽく、より感傷的というかあざとく押し出しているような感じでですね、別にそれもいいですけど、それによりホモダチ感が薄まってるんですよ!!そこが泣けたのに!
男たちの挽歌』といえばやはり誰もがチョウ・ユンファの事を思い出すくらいの忘れがたい存在だったわけですが、今回彼に当たる役を演じたソン・スンホンはそれと比べるとインパクトに欠ける。それはストーリー上での役割が少し弱まっているせいだと思います。




まぁ『男たちの挽歌』ではない、別のアクション映画としてみるとけっこう面白いのでは?と思います、決してつまらない映画であはりませんが、リメイクだと思うと「足りない!」と思う映画でした。




最後に

映画の中でかっこいいというのはイケメンであるということではないからな!


そういえば入場者プレゼントでトレーディングカードもらいました。全9種類で全部集めると裏がポスタービジュアルになるみたいです。おばさまたちがこれを開けながらキャッキャッ言ってたのが印象的でした。ちなみに僕のはヒョクを演じたチュ・ジンモさんでしたよ。