リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

DVD鑑賞日記。

今日映画を見に行こうとしていたら何と寝坊してしまい見に行くことができなかったという悲劇。このGWはとりあえず『スコット・ピルグリム』は絶対行くとして、『ブルーバレンタイン』『シリアスマン』『イリュージョニスト』『ファンタスティックMr.Fox』『エンジェル・ウォーズ』など見たい映画がたくさんあって迷いますね。『ガンツ』なんて見てる場合じゃないぞ。



というわけで今日は新作映画の感想は書けないのです。なので今年見たDVDのなかでも「これはイイ!」と思ったものを書き残しておこうかと。このGW、外に出るのは面倒だ!という人は何か気になったら借りてみては。




『ワイルド・パーティ』

ワイルド・パーティー [DVD]

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田舎の高校を卒業してハリウッドにやってきた女ばかりのロックバンド。そのメンバーのひとりの財産家の伯母のおかげもあり、見る見る内にバンドは脚光を浴びていくが、同時にドラッグやセックスの誘惑におぼれどんどん堕ちていく・・・。

ロック・ドラッグ・セックス・・・映画内における娯楽要素をなにもかもかもぶち込んだ結果なんかとんでもないことになった映画。ばかばかしいことを真面目にやるとなんかすごいことになるという超娯楽作品。テンポも速いし、カットは細かい。上映時間も長くはないので一気にリズムよく見れると思う。
突然の超展開には「????」ってなり、しかもその直後に更に「えー!こんなんありかー!!」という興奮が起こって、もうね楽しい。というわけで頭の固い人とかギャグを理解しない人以外のすべての人にオススメ。




切腹

切腹 [Blu-ray]

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彦根藩井伊家の上屋敷に津雲半四郎と名乗る浪人が現れ「切腹のためお庭拝借」と申し出た。生活に困窮した浪人が「切腹する」と言っては、庭や玄関を汚されたくない人々から金品を巻き上げることが流行っており、家老の斎藤勘解由はこれをたかりの類だと勘ぐり、数ヶ月前にやってきた千々岩求女という浪人の話を始るのだが・・・。

武士社会における体面を取り繕う様、武士道というものの非人間性を強烈に追求した映画。重々しい題材であり、しかも常に緊張感を醸し出し見る側をひきつけるので見た後疲れる。竹光で切腹というとてつもなく痛そうなシーンもあり見てられない痛々しさがある。刀を交えるシーンで少しだけ胸をすくものはありますが全体的には重苦しい感じ。
あと、この作品における半四郎って『ダークナイト』のジョーカーみたいな感じ。欺瞞を暴きにやってくると言うね。
役者陣の見事な演技も音楽も、ジワリジワリとこちら側に迫ってくる本作。画面構成も、ミステリーともいえる脚本もすごくいいと思います。というわけで時代劇を何か見ようという人にお勧め。




狂った野獣

狂った野獣【DVD】

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テストドライバーの速水は、テスト中に事故を起こしクビになってしまう。数日後、速水は友人の岩崎美代子を誘い、大阪の宝石店を襲い数千万円相当の宝石強奪に成功、別々に逃亡した。速水は宝石を持って府営バスに乗り込み、逃走は完全に成功したかのように思われたが、そのバスに銀行強盗に失敗して警察に追われている谷村と桐野が乗り込みバスを占拠してしまう。

ノンストップカーアクション。本物を転がしてるってのはやっぱりいいなあと思いますよね。リアルな迫力はいいもんです。またバスジャックという状況の中で乗客はどんな行動をとるのか。というのも描いています。『ユリイカ』みたいにクソ長くなく、しかもしっかりと。
しかし何と言っても思うことは映画内からあふれ出ているパワーっていうのは色あせないものだなあという事。バスジャックとかカーアクションとか「何もかも無視して走り続けるもの」ってなんていうか登場人物の心情そのものだったりすると思うんですよ。『バニシング・ポイント』とか。だから止まらないんですよね、止まったら何かが終わっちゃうから。というわけでそういう人に非常にオススメです(どんなだ)。




ウィッカーマン

ニコラス・ケイジのリメイクの方ではない。

行方不明の少女を探すためにスコットランドからサマーアイル島へやって来た警官。だが村人たちは少女の存在を否定し、何かを隠しているような素振りを見せる。警官はやがてこの島を支配している異様な古代宗教に行き当たるが・・・。

この映画はキリスト教に対する皮肉だ。キリスト教徒の主人公が訪れた島の住民はよくわからない土着宗教を信じているのですが、平和的で大らかな生活をしているのですね。しかしそんな村人の生活を主人公は否定するんですよ。キリストの教えに従ってないとか言って。そんな奴が最後にはキリスト教がしてきた事を・・・。まあ言えないのだけれどもカルトホラーとして人気も高い本作。ラストは自分の目で確かめてみてほしい。





そのほかにも『県警対組織暴力』もよかったし『犯罪王リコ』なんかも面白いと思いましたね。『偉大なるアンバーソン家の人々』も良かったのですが、あんまり書きすぎると終わりが見えなくなるのでこの辺にしときましょうか。断じて面倒になったとか眠くなったとかそういうわけではない。今日紹介しきれなかった映画はまたいずれ。

県警対組織暴力 [DVD]

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偉大なるアンバーソン家の人々 [DVD]

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