『GANTZ PERFECT ANSWER』を見た。

タイトルからにじみ出るドヤ顔

実写映画版ＧＡＮＴＺ完結編。ちなみに前編の感想↓
『GANTZ』を見たよ。 - リンゴ爆弾でさようなら
割とアクションは褒めているが、ストーリー部分は否定的という感じでした。

それで後編なのですが・・・つまらないですね、前編よりも。

今回もアクションで見どころはいくつかあったのでそこは良かった。とくに地下で黒服星人・水沢奈子が何故かセーラー服で戦うという、なんとなく監督のこだわりが感じられるシーンでね。そういうところ好きです。
今回は銃を使ったアクションよりは刀を使うアクションが多かったように思う。これは先ほども書いたように単純に監督がそういうことをやりたかったということな気もするが、それが悪くない。今回は主に人間(の形をした星人)との戦いなので刀で切りあった方が面白いし、前作とは対比となるので良かったのでは。地下鉄のシーンはスローの使い方が微妙だったりもしますがおおむね満足です。綾野剛さんいいなあ。

あと良かったのは変にタイアップ曲をラストに持ってきてないところ。あれって結構嫌なもんだったりする。

しかしだ、先ほども書いたように僕はこの映画をあまり好意的に見ていない。では何が問題かというと、まず退屈だということである。映画が始まってから結構な時間ちゃんとしたアクションがない。その間は薄っぺらーいメロドラマなどが続く。そうるすると本作の魅力はガタ落ちだ。この題材にそんなものは求めていない。こっちはアクションが見たいんだよ。

さらに難点を言うと、この物語何か変なんですよ。「わざわざ何故そんなことを？そんなめんどくさいことしなくても、こうすればいいじゃん」というようなことをしているのである。言いかえれば下手な脚本と言うのかな。ストーリー上で説明が必要な部分までがおろそかになっているため、飲みこみづらい話になっていた。小さい黒玉をめぐるエピソードが特にそうなわけだが。

それと嫌だったことの一つに、オープニングに前編の復習なるものがくっついていることだ。そんなもの必要ない。
これは最初から前編後編に分かれている映画だし、そんなこと見る側もわかって見に来ている。こんなことをすると製作者が見る側をバカにしているように思えるのだ。たまに見る“やたら親切設計”というやつだが、こんなもの必要ないのでバッサリ切ってほしい。

さらに後半、ミッションでタエちゃんがターゲットに選ばれ、内紛が起こったときに玄野が彼女を背負って逃げるシーンがある。ここは別にいいのだが、そのすぐ後には彼女の手を引きながら走ったりするのだ。この際スーツのパワーは使えるわけがないので、普通の人レベルのスピードで走っているということになる。しかしそれだとスーツを着た他のミッション参加者には簡単に追いつかれるのでは？
しかし、いつ追いつかれてもおかしくないこの状況で敵は先回りすることなどはない。不意打もない。全然緊張感のある演出がされていないのだ。だからなんかタルい。追われてる、狙われているという危なさを全然描写できてないのだ。

それにこれは他の映画でも見ることだが、感傷的なシーンになると当事者以外の人たちの世界が止まっいるかのようになってしまうというのも問題だ。近くに敵がいる危機的な状況の中、長々と思いを伝えあっているのは不自然ではないか。みんな死んでしまうような状況でも「なんでお前らだけまだ生きてんだよ」とか思うこともある。つまりこれらは他の指摘したところにも言えるが整合性が取れていないということである。因みに映画後半になると(大げさに感動させようとすると)つまらなくなるというのが致命的欠点なのは前編も同じだった。

さて、最後にこの映画は『PERFECT ANSWER』と打ち出しているように、原作とは違うオリジナルな方法で終わりを打ち出さなければいけないという問題もある。しかし「答え」とはいっても何もかも解決されるというわけではない。これは悪いとは思わない。何もかも説明してしまうと面白みを失ってしまうこともあるし、下手な説明だと世界観をぶち壊してしまうからである。
しかし、今回打ち出したあの「答え」だと少しおかしなことになってしまうのではないかと思う。最近ガンツに召喚された人はいいけど、ずっと前に死んだ人は？という風に僕は思った。ま、他にも思うことがあるので全部まとめて一言でいえば「その答えってどうなの」ということである。あと山田孝之の役とか必要なかったよね？

というわけで「つまらない！ゴミ！」というほどではないし、前編を見ているなら見てもいいと思うけど、今の時期他にも面白そうな映画をやっているのだから何かＧＷに一本映画を見ようと思っているならほかのを見た方がいいかもしれませんね。

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