リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

少し音楽の話でも。

久々にミッシェル・ガン・エレファントのラストライブDVDを見ていた。

BURNING MOTORS GO LAST HEAVEN [DVD]

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その名前自体を初めて聞いたのは高校生の頃。くりぃむしちゅーのオールナイトニッポンにゲスト出演したアジアン・カンフー・ジェネレーションが「昔どんな音楽聴いていたの?」と言う質問に「ミッシェルとかですね」と答えていたのだ。その時は「ふぅん」くらいしか思わなかったが。



それから数年後、多分アベフトシが死去した後だと思うが、初めてミッシェルを聞いた。それはもう衝撃だった。ムチャクチャカッコいい。多分ロックンロールってこういう事なんだろうと、よくわからないけどそう思ったのだ。
その後動画を見てさらに惚れた。黒いスーツを身にまとった4人が演奏する姿を見て、初めて本気で楽器が出来るようになったらなぁと憧れた。まあそれはいまだに出来ていないわけだが、とにかく最高だった。僕は普段シャツもズボンも黒いものばっか着てるが、それは憧れなんだろうなと思う。



音楽的なことはよくわからないが、ミッシェルの楽曲ってすごくキャッチーで、そこが良いんじゃないか。シンプルで無骨なサウンドながら、一度聴いたら忘れられないようなメロディー、思わず口ずさんじゃう感じにあふれている。アベフトシの尖りまくった高速カッティングはもちろん最高にカッコいいけど、やっぱ自分が惹かれたのはそういうところなのかな。
意味がよくわからんと言われることもある歌詞も最高。確かに意味より響きを優先したきらいはあると思うけど、個人的にはキラーフレーズ満載ですごく好きなんです。自分で勝手に解釈するという遊びもできるしね。それをチバユウスケがあの独特のガナリ声で叫ぶとそれでもうやられちゃうわけですよ。



さて、そんなミッシェルが残したアルバムの中で一番好きなのはやはり4枚目のオリジナルアルバム、「GEAR BLUES」だ。ミッシェルを前期・中期・後期に分けるならこれは中期に位置するアルバムで、音としてはポップで軽めだった前作までと打って変わりヘヴィで重苦しいサウンドとなった作品。
グワングワン唸るベースの音で始まる「ウエスト・キャバレー・ドライブ」から、ずーっと重くのしかかるサウンドが続く。一曲一曲でははじけるものもあるけど、全体としてはズゥンとした暗い雰囲気がのしかかっているのだ。(♯5「フリー・デビル・ジャム」#7「ブライアン・ダウン」が特にオススメ)

個人的にこのアルバムの印象は「泥と血」と言う感じで、どういう事?と言われてもうまく説明できないんだけど、とにかくそういったドロドロしたものと鋭い暴力性を煮込んだような印象を受ける。音もそうだが、歌詞の面も。今までのひねくれ感、けだるさ、終末感を残しているけど、もっとドロッとした感じかなと。


そしてため込んだ空気を最後「ダニー・ゴー」が突き抜けていく。今までの全てがこの曲に集約され、一気に決壊していく。この瞬間のために何度でも聞いてしまうのがこのアルバムの魅力なんだと思う。「ダニー・ゴー」は単体で聞いてもメロディ、歌詞共に素晴らしく泣ける超名曲だけど、やっぱりアルバムを通して聴くとその感動はさらなるものだ。ほんとに最高傑作だと思う。



この後ミッシェルはどんどん退廃的な雰囲気へと流れていく。僕はそれも好きで特に「マリオン」なんてもう・・・と言う話は長くなりそうなのでまたの機会に出来たらいいかななんて。



そんなわけで今日はミッシェル・ガン・エレファントについて思うところを書いてみました。「GEAR BLUES」以外のアルバムも魅力的な作品はたくさんあるので聞いたことない人がいたらぜひ聞いてもらいたい。だって絶対カッコいいから!損しないから!そんな感じ!

GEAR BLUES

GEAR BLUES