リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』を見た。

開き直って、事件再開。

推理モノとしてではなく、アクション映画としてホームズを成功させたガイ・リッチー監督によるシリーズ2作目です。僕は原作を読んだことはありませんが、出てくる人物は『コナン』でいくつか知りましたので、まあ知らない事もないくらいの人間です。



ヨーロッパでは近頃爆破事件が多発している。ホームズはこれらを<犯罪界のナポレオン>、ジェームズ・モリアーティ教授の犯行と睨み調査を続けていた。一方相棒のワトソンは結婚が決まり、独身時代最後のパーティを楽しもうとするが、ホームズの乱入によりめちゃくちゃに。さらに新婚旅行へ行く列車の中でも、妻を投げ捨てられたりと酷い目に合う。「これが最後」ということでしぶしぶコンビを再結成し、二人は巨悪に立ち向かおうとするが・・・というストーリー。




さて、散々言われているように、これはもう完全にホモ映画です。出だしからホームズは結婚するワトソンに対し、皮肉やら嫌がらせやらをしかける。どんだけ愛してるんだと。ワトソンもワトソンでホームズをほっとけないという。1よりもウホッ度はかなり上がっていました。「きみはそれで幸せかい?」ってもうね。開き直ったなこいつら、と言う感じです。
だいたいさ、モリアーティも「君が私の邪魔をするなら、ワトソンをどうにかしてやるぞ」って普通男同士ではそれ脅しにならんだろ!なんなんだ。



ホモ成分だけでなく、苦手な人も多いチャカチャカグイーンと言う感じのアクションも過剰になっている部分がありました。なので前回がだめだったら今回もダメかもしれません。僕は前作に続き若干うざいなと思いつつも、まあ面白い所もあると思いました。後半、砲弾が飛んでくる林の中を駆け抜ける場面は特に「オオッ」となりましたしね。爆発なども全体に盛りだくさんでした。
さらに、今回は舞台もロンドン、パリ、スイス・・・とあちこち飛び回ると言う事で、前作ではまだ残っていた推理物っぽさがなくなり、『007』みたいなスパイアクションとなっていました。全世界を揺るがす陰謀と言うハッタリにもそのにおいを感じます。そうなるとホームズがボンドでワトソンがボンドガールなのかな。



とまあそんなところが楽しい映画でありますが、しかしね、いくつか不満も残りましたよこの映画には。ここから先はネタばれです。



まず一つは、前作にも出ていたレイチェル・マクアダムズ演じるアイリーン・アドラーの扱いですよ。彼女は一応ホームズが<唯一愛した女性>と言う感じなのでしょう?なのに今回は序盤であっさり死んでしまい、それ以降の登場は無し。いや、確かにホームズとワトソンのキャッキャッを描きたいのなら不要かもしれませんが、ならば出すなよと。
アイリーンが死んだと聞かされた後、彼女が残した血のついたハンカチの匂いをホームズが嗅ぐシーンがありました。そこでホームズはそのハンカチを海へ手放してしまうんですね。僕はてっきり彼女の死が偽装だとわかって手放したのかと思いました。それで後々ピンチの時に現れるのかと。
まあ別にそんな予想はどうでもいいのですが、映画後半はすっかり忘れられてるのはやっぱりどうなんだろう。あの程度なら出る必要はないんじゃないかと思いますね。



それとストーリーです。別に荒唐無稽とかそういう事をいちいち言う事はありませんが、疑問を持ったのはモリアーティの狙いについてです。
彼は自分の所有する武器等を売るため第1次世界大戦を起こそうとした。その計画自体はホームズらの活躍により阻止され、モリアーティは敗北。ホームズとワトソンは世界を救ったと言う事になっている感じですが、現実には結局戦争が起こってしまったじゃないですか。それを示唆するセリフもあったと思いますけど、それを思うとちょっとわだかまり、とでもいうような感情が残ってしまいましたね。「でも結局・・・」と言う感じで。こう言う作品はもっとスパーン!っと終わってほしかった。



と言うわけで、ちょっと気になった部分はあるものの全体的にはそれなりに楽しめました。前作のファンやホモホモしい感じの好きな人等にはオススメでs切る作品だと思います。ハンス・ジマーハンス・ジマーっぽい音楽も良かったと思いました。

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