リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『エクスペンダブルズ2』を見た。

偏差値は置いていけ!銃持ってこい!

シルベスター・スタローンを筆頭にオールスターキャストで贈るアクション超大作。本作からはアーノルド・シュワルツェネッガーブルース・ウィリスも本格的に出演。さらに新キャラとしてチャック・ノリスジャン=クロード・ヴァン・ダムも参戦していますが・・・



やったぜスタローン!最高!超面白い!



ホントにこれは超面白かった。もうオープニングから前作を超えるくらいのハイテンション!装甲車(どう見ても悪役の仕様)に乗ったエクスペンダブルズが次々と銃をぶっ放し人間を肉片へと変えていく!PG−12とは思えない破壊描写にビックリ!とにかく撃つ、殺す、殴る、破壊する爆破する!躊躇がない!人のただの肉塊に変えることに何の躊躇もない!それでいいのか?まあいんじゃね?映画だし!ドカーン!ドカーン!
こんな感じでとにかくいろいろぶっ壊したり爆発させているうちに任務は完了!そしてタイトルがドーン!やったー!いやー、こんな景気のいいオープニングは久々に見ました。ここだけで普通の映画ならクライマックスだよ、というくらいの盛り上がりです。素晴らしい。



激戦を終えアメリカへ戻ってきた彼らですが、ここで解散、とはいきません。飲み屋で一杯やるまでが任務ってもんです。ということで皆一緒に飲み屋へ。しかしなんだかスタローンはご機嫌斜め。ジェイソン・ステイサムが彼女を連れてきたからですね。男子の放課後に女子はいらないと何度言ったらわかるんでしょう。女子の方も空気読んでほしいもんです。この後もずっとステイサムは彼女とイチャつくので、スタローンは終始嫉妬してます。ステイサムの方も、スタローンが新入りのことばかり褒めるのでお互い悪口(a.k.a 愛情表現)ばかり言い合うんですね。この男子同士のキャッキャ感というもの、本作の大切な魅力です。



さて、そんな楽しい時間もつかの間。彼らは墜落した輸送機の中にあるケースを回収するという仕事に取り掛かる。この程度の仕事は朝飯前と言った感じで無事ケースを回収する彼らだったが、その直後、ジャン=クロード・ヴァン・ダム率いる武装集団の襲撃を受け、手に入れたケースを奪われ、さらに人質に取られていた仲間まで殺されてしまう。
任務は失敗した・・・。しかし、エクスペンダブルズにとって問題はそんなことではない。俺たちをコケにしやがって・・・そして何より、俺たちの仲間を殺しやがって!絶対に許さねえ!息の根止めてやる!かくして男達は復讐の戦いへと赴くのであった。



実にストレートかつ熱い展開な本作は、ここから更にパワーを増していく。鍛えあげた肉体が唸り!銃弾は更に数を増し!とにかくゴリ押しで進んでいく!そこにマイケル・マンのような美学は存在しない。あるのは泥臭さと汗臭さだ!これもまた一つの男の美学(何を言っているんだ俺は)!加えて、どこからともなく現れるチャック・ノリスシュワルツェネッガーブルース・ウィリスが集まればスタローンとともに大暴れ!ラストはジャン=クロード・ヴァン・ダムと、男と男の一騎打ち!すごいじゃあないですか。
もちろん、他のメンバーにもしっかり見せ場は用意してあります。ジェイソン・ステイサムのナイフアクションは相変わらずキレキレ(特に中盤、ある村で見せる彼のナイフさばきは素晴らしいです)ですし、ドルフ・ラングレンはまさかの萌えキャラになっている。いやほんとに本作のラングレンは狂ってるけど可愛いですよ。ジェット・リーとのコンビもいい感じ。脚本に愛を感じるよスタローン!



また、前作にもあったメタ視点ギャグは本作でもたっぷり用意されている。特にシュワとブルース・ウィリスが本格的に参加ということで『ターミネーター』と『ダイハード』ネタがぶち込まれています。というかもうシュワちゃんの出ているシーンは全部ギャグみたいなもんです。他にもドルフ・ラングレンの優等生ネタや、チャック・ノリス・ファクトを本人の口から言ったりするシーンまである。この辺は詳しい人が見ればもっといろいろ発見があるかも。
ところで、チャック・ノリスが登場するたびに『続・夕陽のガンマン』のテーマが流れるのは何故だろう。そんなことを考えていたんだけど、ノリスの役柄って≪どこからともなく現れ、そして消えていく伝説の凄腕≫なんだよね。なるほどこれイーストウッドじゃん。そういえば『エクスペンダブルズ』にイーストウッドが出演?なんて話もあるけど、まぁそんなもん無理に決まってるというのは誰の目にも明らかなのでこういう形で登場させた・・・というのは考えすぎか。 



とまあそういったネタも面白いが、本作の魅力はやはり何と言ってもアクションなのだ。本作のアクションは前作よりスケールがでかくなっただけではない。スタローンが脚本に専念したことが功を奏したのだろうか、一つ一つが見やすく、カッコよくなっている。ただドッカンドッカンやるだけでなく最後はオヤジ同士のタイマン!というのもアツい。血沸き肉躍るとはまさにこのことじゃなかろうか。
暴力描写もちょうどいい。『ランボー 最後の戦場』と同じような感じではあるけど、あそこまでいかないライン、エンターテイメントのラインで人体破壊をやっているように思いました。暴力衝動の発散にちょうどいい感じ。
あと本記事の写真見ても思うんだけど、スタローン、シュワ、ウィリスはそれぞれの代表作スタイルで銃を構えてるのかな。ウィリスはなんか警察っぽい構えで、シュワちゃんはドーンと突っ立ってる。スタローンはランボー。詳しくないのであんまりよくわからないんだけど、なんかそんな気がしました。



もちろんダメな部分もあります。脚本の骨格は結構しっかりしてたと思うけど、全体ではどうかと思う部分だらけですよ。もうご都合主義が過ぎる。ただ、そこはアクションを存分に生かすためと考えれば、まぁいいじゃないですか。キャラクターの掘り下げに文句があるなら、それはそれぞれの過去作を見ておけばいいんです。そういうもんですから。
不満、とまではいかないけどテリー・クルーズとランディー・クートゥアの見せ場が減っているようだったのはちょっと残念だったかな。それとオープニングで素晴らしいアクションを見せていたジェット・リーの出番がすぐ終わってしまったのも惜しい。せっかくドルフ・ラングレンと良いコンビになっていたのに。まぁこれはねだりすぎですかね。



というわけで、豪快なアクション、そして放課後の男子感溢れるホントに楽しい映画だと思います。それにナヨナヨしたモヤシのようなチャラい若造だらけの世の中に、本物の一撃を食らわせたる!というような気合も素晴らしい。映画を見ている途中は偏差値ダダ下がりになること必須ですが、よくできた脚本とか、そういうのは違う映画でどうぞ。男を取り戻すため、今すぐ劇場へ!あと、次回はパンフレットでインタビューを受けていた千葉ちゃんの登場を!