リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『SF巨大生物の島』を見たよ。

浅草キッド水道橋博士が『カールじいさんの空飛ぶ家』を観た際に『SF巨大生物の島』(1961)との類似点を指摘したらしい。それが気になったのでずーっと探してたんだけど最近になってようやく見れましたよ。


南北戦争の真っ只中、捕虜になっていた北軍のハーディング大尉は数人の部下、たまたま乗り合わせた従軍記者、さらに彼らを止めようとした南軍の兵士と共に気球に乗って脱走することに成功。しかし大嵐に見舞われ気球はコントロールを失い空をふらふらとさまよう。そのうちに気球に穴があき、高度を維持できなくなり小さな島に漂着する。一見ただの小さな島に思えたが実は島には巨大な生物と奇妙な人物が住んでいて・・・」というようなストーリー。


さて、この映画のどこが「カールじいさん」と似ていると指摘されてるかというと
・気球で飛び立ち謎の島に漂着する。
・その島に出てくる鳥のデザインが似ている
・その島にはかつての偉大な冒険家がいる。
・その冒険家はマッドサイエンティストになっていた。
・その冒険家は島の生き物を使って実験していた。

まあこんなところです。見てみるとたしかにその通りで、これはパクリ・・・じゃなくてオマージュですね。監督のピート・ドクターは『モンスターズ・インク』でも『SF巨大生物の島』の特撮を担当した有名な特撮マンのレイ・ハリーハウゼンの名を借りたハリーハウゼンという寿司屋が出しているので、まあ相当尊敬してるんでしょうね。


さて、本作の見どころはサバイブしていく男(途中から女も)達の生活っぷり、とうか如何に食料を確保するかってところです。「うわー!でかい蟹だー!ギャー!」とか言いながらやたらでかい蟹さんを間欠泉に落とし、茹で上がった蟹さんをムシャムシャとほおばります。うまそう。

でかい。




ほかにも怪鳥を丸焼きにして食べたり巨大蜂の巣で蜂蜜をとったりと見るからにあやしい生物を何の抵抗もなさそうに食べる姿は恐れ入ります。いや、うまそうではあるんだけどね。



そんな生き物たちを生み出したハリーハウゼンの特撮(ダイナミネーションってやつ)はCGにはない感じでやはり魅力があります。でもまあ本作に登場するのは「でかいけど普通の動物」であってほとんどはモンスターじゃないのが残念ですし、出てくる怪獣の数もシーンも多いとは言えませんのでハリーハウゼンの特撮が見たい!という方は他の作品『シンドバット七回目の冒険』とかオリジナルの『タイタンの戦い』とか見ればいいと思います。ああ、あとこの映画にはハリーハウゼンが影響を受けたという『キングコング』のオマージュと思われるシーンもありましたね。倒木を渡っていくところとか。映画ってのは影響を受けたり、与えているのですね。




カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD]

カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD]

というわけで『カールじいさん』。前半は泣けました。後半は・・・まあ面白いとは思うけど。