リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『キックアス』を見たよ

ヒットガールがもう最高すぎて


はい、『キックアス』見てきました。札幌のディノスシネマズという、過去に『ホットファズ』などを公開していた信頼できる劇場で見たのですが、いやあ混んでたなあ。ホント、こんなに混んでるとは意外ですよ。『ホットファズ』の時も客入ってたし、やっぱり一定の需要はあるんだなとあらためて思いました。その他の劇場公開が未定の映画もやれば客は入るんじゃないかなあと思うのですがね。あれで採算取れてないことは無いよなあ。


勉強もスポーツもできないコミック好きボンクラ学生のデイヴは「誰もヒーローとなろうとしないなら、俺がなってやるよ」と、通販でコスチュームを買い「キックアス」と名乗り、自警団として街を見回る。しかし、最初のチンピラとの対峙で腹を刺され、さらに車にひかれてしまう。その際コスプレしていた事を隠すため服を脱いで病院に搬入されたため、父親には犯されたのかと心配され、学校ではゲイと疑われてしまう。しかし、そのおかげで意中の女の子と仲良くなれるのであった(安心だから)
ある日、キックアスはチンピラと戦うのだが、その姿を通行人に撮影される。そして彼の雄姿がネット上にアップされ、社会現象にまでなっていく。どんどん有名になっていくボンクラ非力ヒーロー・キックアスであったが、ある日麻薬の売人と対峙しピンチに陥った時、同じくヒーローコスプレをした、しかしキックアスとは違い本当に強いヒーローである「ヒットガール」、と名乗る少女とその父親「ビッグダディ」と出会う・・・。



いやぁ良かった!ボンクラ男の成長譚としても、アクション映画としても良かったなあ。
この現実は退屈だ、というボンクラ野郎がコスプレして鏡の前で格闘するシーンは『タクシードライバー』みたいでしたね。彼には劇中でも言われているようにスーパーマンスパイダーマンのような特殊能力はないし、バットマンのように超金持ちでもない。そんなヤツがヒーローなんてやったらそりゃあ血まみれボロボロになるでしょう(しかも運動神経もない)。しかし、ラストには本当にヒーローらしくなり、だっさいコスチュームでもかっこよく見えるんですね。まあ、最初のほうでボロボロになりながら「苦しんでる人たちをただ眺めてるだけなんて僕にはできない!」と言うシーンがもう感動的でしたね。彼がヒーローとなる決意をするに至った、一つの疑問「なぜ誰もスーパーヒーローにならないのか」という事にも面白い展開で結論を導きます。じゃあヒーローになってしまうのは・・・と言うことでもある。


ニコラス・ケイジが演じた狂人キャラ、ビッグダディも良かった。なんたって娘を幼い頃から殺し屋として育てあげた虐待オヤジである。娘に防弾チョッキを着せ「銃を恐れるな」と言って撃ってみたり、「誕生日に何が欲しい?」と娘に聞いて「子犬」とか女の子らしい可愛い答えを言うと、「何言ってんだこいつ」という顔をし、「嘘よパパ。ナイフが欲しいわ」と娘が言うと「ビックリしたじゃないか」と微笑むニコラス・ケイジ。英才教育の賜物である。もちろん愛してるんだけどね。


そしてヒットガール。父と揃ってバットマン&ロビンのようコスチュームを着て、父親の復讐の手伝いをしているのだが・・・ってかもうこれ以上は映画館で確認して!とにかく彼女が出てるシーンはカッコよくて最高なんだから!!公開されたときに問題視された「あまりに道徳的に不健全」な感じがまたいい。敵を容赦無くブチ殺す所とか、「腐れオマ○○野郎!」とかなんだけどさ。



ロリコンでなくてもヒットガールには惚れる


さらにヒットガールが敵のビルに乗り込んだときにかかるのは『夕陽のガンマン』。エンニオ・モリコーネのやつ。カッコイイ。




まあとにかく見ればいいんだよって事で。今日はそんな感じ。これも今年のベスト10に入れたい作品であった。