リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『グリーン・ホーネット』を見た。

カトー!行け!新聞には俺が出とくから!


2Dで鑑賞。3Dはやってなかった。まあ予告編でわかるように「こんな感じでしょ?」って感じで、楽しいと言えば楽しいけどねえ。


新聞社の社長の息子である主人公、セス・ローゲンは絵に書いたようなバカ息子であったが、父親が死んだことで彼の運転手であったカトーという、上海生まれの機械も格闘もなんでもできるオタクと出会ったことで、バカな妄想を満たすためヒーローになって調子に乗る・・・という話。



まーセス・ローゲンのボンクラっぷりがボンクラ。自分は大して活躍もしていないのに勝手にいい気になる。本当はカトーの手柄なのに。
また、美人秘書にも手を出そうとするけど、彼女はどちらかというとカトーの方に興味があった。そのせいで二人は険悪な感じになってしまう。

そのカトーはというと、彼はスゴイ技術力とか持っているのに誰もそれを知らないのである。そうしてようやく自分が輝ける場所(もしくは今までの鬱憤を晴らす場所)を見つけたと思ったらボンクラが必要以上にしゃしゃり出てくる。そんなんだから「てめえ何もしてねえだろ!」って感じで喧嘩になってしまうのだ。


ストーリーは見新しいわけでもないのだが、彼らの愛車「ブラックビューティー」とかダブルバレル銃とかのガジェットや、いくら何でもやりすぎ感のある(あんだけ街破壊したら悪役より社会悪じゃないか?)アクションシーンも楽しい。

ただ、目新しいところが何もないかというとそういうわけでもなかった。主人公のせス・ローゲンが本当にボンクラもボンクラなのだ。コメディの役割をばっちりわかっていてその辺は面白かった。笑える。



ここから少しネタばれ。

「頑張っても結果がでなければ意味がない」という話が序盤で出てくるが、映画のラストでも頑張ったボンクラ息子はすんでのところで失敗する。しかし、ストーリーを通して失敗し続けてきた男は相棒の力を得て最終的には結果を得ることができる。

また、自分の事ばかりだったボンクラが他人のために動くことで力を発揮するとか・・・まあそれも微妙に失敗するのだが、そうやって主人公の自分一人の欲のみで行動するわけでない、少しづつヒーローらしく、同時に大人らしくなっていくのだと思った。
そいうところは悪くはないにだけれけど、どうしても全体を通してストーリーがなんてことない話だし、悪役がクリストフ・ヴァルツでもどうも魅力がないところなど、そこまで乗り切れないのだ。面白いところはいくつかあるのに。


しかし、続編があるというなら見てみたいとも思う映画でした。


ちなみに、セス・ローゲンの父親のオフィスにはシーシュポスの銅像が置いてあったと思います。これって思ったんだけどミシェル・ゴンドリー何かあったんじゃないのか?そもそもこの映画全然今までと感じが違うから「てめええなんかよくわかんねえ凝った映画ばっか撮ってねえで儲かる映画作れ!結果出せ!」とでも言われたんじゃないかと疑ってしまう僕なのでした。社畜としての辛さの表れでしょうか・・・。