リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『GANTZ』を見たよ。

ギョーン。


人気漫画実写化、ということでだいたいこういうのは不安の方が大きいわけです。成功する例というのはあまりないですからね。

しかしね、悪くないよこれは。


ガンツ映画化で気になったのはやはり「星人」をどう表現するのか、とか残酷表現をどうするのだろうとか、おっぱいは出るのかとか、おっぱいは出るのか、というところだと思います。

まず星人に関してだけど、これはもう全然問題なしというところだと思いますね。特に田中星人に関しては「なんか変だぞ感」が際立っていて面白かったと思います。あの不気味さはあれだね、無機物っぽい人形が怖い事をする恐怖に近いね。チャッキーとか、もしくは腹話術の人形のあの感じかなあ。

因みに今回はラジカセを持って登場。流れいている歌は「切手のないおくりもの」で、これはモデルになった田中星児がカバーした財津和夫の曲ですね。面白い変更点。


ただ、少し言うなら、おこりんぼう星人戦のラストにでかい大仏を持ってくることで映画自体の盛り上がりを大きくしようと思ってのだろうけど。その前に出てくる千手観音に比べて明らかに弱いのが残念なところ。



そして、残酷描写。これはPG12ということでそんなに期待してなかったら「おお、やるじゃないか」とびっくりさせられた。血の色をあまり赤く見せないことで(星人に関しては黒、人間の血の色もあまり赤く見せない)それなりの残酷さを表現することができたのか。
しかし、後半に行くにつれて残酷さは薄れていくので少し残念。


最後におっぱいだが・・・・出せよ!
あの身体ににピタァっとはりついたようなスーツはフェティッシュな魅力があってエロエロで最高なのだが、あそこまで頑張ってんだから乳首まで見せてほしかったです。それを見せてたらこれから言う文句も軽減されてたでしょう。




というわけでここからは文句である。何がダメだったって、後半の展開だ。

個人の描写があまりなく、ネタ振りが十分ではないのにいきなり人格が変わる展開(原作より黒野の現実世界に対する不満描写が少ないのに、原作以上にいきなり凶暴になる)など、様々な描写が唐突だったり、もしくは逆にネタ振りがあざとすぎたりと、人間の描き方はいろいろ問題があるように思う。
黒野と加藤の関係も原作ほどしっかり触れられない。そのため、彼らの間にある絆みたいなものが薄いのだ。
そしてまた登場人物が心情を吐露するのが唐突だったり・・・っていうかアクションパートと比べて退屈なんだよなあと、まあ一言でいえば原作から変更した部分の脚本はダメだったということである。
ラストの感傷的すぎる感じも個人的には萎えてしまった。

とはいえ、原作の実写化としては成功の部類に入るものなので、見て損はない映画だと思う。




因みに、原作者奥浩哉のフェイバリットムービーが『ダイ・ハード』『エイリアン』『ゾンビ』『遊星からの物体X』『マトリックス』『マッドマックス』だったりと、「ああ、なるほどな」というチョイスだったのでした。

GANTZ 1 (ヤングジャンプコミックス)

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