リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

春アニメ2本立て。

一本目『映画 新ドラえもん のび太と鉄人兵団
86年に公開された映画ドラえもんのリメイク。元の『鉄人兵団』は映画ドラえもんの中でも評価の高い映画でそれをどう作り直すか、というのは結構なチャレンジだったろう。

で、どうだったかというと、面白いですよ。
節々にオリジナルから自分たちの解釈を経て新しい作品にしようという意思がみられ、それが成功している部分もあり単なる劣化コピーになっていないなと思った。

もちろん元のストーリーがまずよく考えられているのだと思う。鏡面世界という世界の中で、まるで地球を鏡で映したように同じ歴史をたどっているメカトピアという世界の軍団と戦う、それものび太の住んでいる街を舞台にしてであるというところ、これが良いのだろう。メッセージ性もあるし、アクションも普通ではなかなかできない事を思いっきりやれるのだから。


さて、本作は基本的には旧作と同じストーリーで、リルルというロボット少女を中心とした話だが今回はピッポというキャラクターを増やしたことにより少し様子が違っている。前作はほぼリルルの(あとしずかちゃんの)映画だった印象を受けるが、今回はそれを変えようとしたように思う。他にも、最初のドラえもんのび太のやり取りや所々で見せるコメディには笑わされるし、アクションは迫力が増しているし、旧作とは違う面を見せて進むストーリーも最後にはちゃんと感動に持っていく。


しかし、リルルの過去のエピソードを入れると少し物語的に困ってしまう事もある。というのも、このエピソードのせいでリルルがのび太たちに加担するのが「そりゃのび太達の仲間になるよね」と簡単に思える程度のハードルに下がっているところだ。


一番不安だと思われたピッポというキャラクターはのび太を最後まで主役として見せることに一役買っていたし、そもそも改造手術で仲間にという旧作の設定はどうかなと思えるところでもあったので、どうかなと思える狙いっぷりもあるとはいえるし、他にもメガトピアの設定などいくつか不満もあるが、概ね好意的に見ることができた。


とにかく、いままでの水田わさびドラえもんにはがっかりさせられてきたファンも見て損はない映画だとは思う出来でした。やっているうちに映画館へ行くことお勧めしたいです。





二本目『名探偵コナン 沈黙の15分』
コナン劇場版15作目。コナンの映画はすべて見ているのですがこれはひどい今まででも最低レベルの出来だったと思う。

いまさらコナンで犯罪描写とか警察やら何やら諸々のリアリティがないとは言わない。今回は妙に気になったけど、それはもうとりあえず無視ということで。


まず思ったのだけどコナンのアニメーション、絵の動かし方ってこんなにしょぼかったっけ?アニメには詳しくない僕ですがこれはちょっと違和感を感じましたね。動いていない時、つまり喋っているキャラ以外の、その場にいる人の振る舞いがとても雑だったりもします。粗が目立ってしょうがない。


今回の映画は最後のダム決壊、雪崩というのを見せたかったのだと思うのだが、そこに行くまでは普通の原作、テレビシリーズと同じ程度の規模でしかないし、映画でしかできないようなこと(蘭の記憶喪失とか)もやっていないので全然映画での楽しみを感じられない。だから全然ラストに向けて盛り上がっていかないのだ。


とはいえ、コナンといえば実際ラブコメがメインなのでそこが楽しければいいじゃない、と思う人もいて全然かまわないのだが、今回はそれも不発だった。なんだかみてて蘭ねーちゃんが電波女っぽかった気がする。ちょっと無理があるなあと。それと少年探偵団の喧嘩のエピソードも上手くからんでなかったと思う。



文句を言えば尽きないのでそろそろ終わりにしようと思う。1年待てばテレビ放送されるのでそれで見ればいいかな?アクションだってたいしたことはないですしね。来年はサッカーがおそらくキーワードになりそうなのでそれには期待。一応。

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