リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

最近見た映画『イップ・マン 序章』(DVD)

『イップマン 葉門』の前章にあたる、というか実際は『序章→葉門』という順番なのですが、反日的な描写があるということで『序章』の方が後の公開になったそうです。



『葉門』の時も書きましたがやはりイップマン演じるドニー・イェンの目にもとまらぬ技はホント見事ですね。とくに道場で日本人10人と対戦するシーンは圧倒時な面白さでした。
ここでのイップマンは今までに見せたことのない激しい怒りの拳をぶつけています。完全にブチ切れたとても強いお方がボッコボコに人をぶちのめしていく様は本当にすさまじい。ここだけでも見る価値のある映画であります。


もちろん他のカンフーシーンも素晴らしいですよ。『葉門』でも同じことを書きましたが、ストーリーと寄り添う形のカンフーですので両者がお互いを引き立て、映画をより面白いものとしています。
構成も練られているというか、ちゃんと後々効くようにしています。例えば道場破りのシークエンスでは[道場破り現れる→数々の師匠が敗れる→イップマンの元へ道場破りやってくる→他の師匠に通用したものも通じない→イップマン強ぇぇぇ!!]というところですね。アクションの快楽だけでなく、快楽が複合的になってるというのが良い。



そうやって前最初の方はたのしいカンフーアクションですが、この映画は前半と後半は全然色が違います。戦争が始まってからのトーンは凄く暗いです。映画自体も単純なアクションから少し重みを増しているように思います。



後半の重さに関係している部分ですが、問題の反日描写について書いておくと、これに関して僕はあまり問題だと思いませんでした。というかそんなに深く考えなかっただけですね。だって単純にスゲー面白いんだもの!引き込まれてしまうから日本軍に対しても「やっちまえ!」とか思ったくらいですよ。あのステレオタイプの悪役を演じた渋谷天馬さん、良かったですねぇいやらしい悪役でした。

確かに冷静に考えれば問題と思える部分もあるかもしれません。しかしその問題に対しては映画としての快楽が勝っているのではないかと僕は思いました。



ということでもうとにかく面白いのは間違いないので見てほしい映画ですね。カンフー好きならもちろん、そうでない(僕はカンフー映画が特別好きなわけではない)人も楽しめると思うのでレンタル店で見つけたら即レンタル!