リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『x-men ファーストジェネレーション』を見た。

X―MEN 1年生。


X−MENのミュータント達というのは社会的弱者・マイノリティの象徴もしくは強いコンプレックスの・・・という話はもう出尽くした感があるので今更長々と書きません。簡潔に言います。面白かった!

本作は境遇の違う男二人が出会い、親友となり協力し、そして別れるまでを描いた映画ですが(恋愛映画みたいだね)そこに政治性、そしてチームアクション映画としての面白さもぶちこんでいるのですが。それらがちゃんと機能しています。
X−MENと他のアメコミの大きな違いは特殊能力を持ったミュータントが多数登場しているという点にあって、面白いのはその超人軍団がそれぞれの能力を生かして大暴れ、という所にあるのだと思う。今回も大勢が「それは無理だろう」と思える部分を無視してでも大変面白いアクションを見せてくれる。また映画自体のテンポが心地いいので重いテーマを含んでいても大変楽しく見れます。




【プロフェッサーX=チャールズ・エグゼビア】はおぼっちゃまでインテリでイケメン。そしてチャらい。しかも見た目が普通なので長年一緒にいるミスティークの悲しみもいまいちわかっていない。どうなんでしょうこの人と思います。また根拠もなく「人間を信じる」という言葉からわかるように理想家であります。
さてそんなチャールズさん、家は出てくるのに家族は全く出てこない。家族関係の希薄さを表現したのか、彼が後に学園を創設したのはそれが理由のようにも思える。そういう部分も含め彼の少年期の話はもう少し見たかった。



マグニートー=エリック・レーンシャー】はナチ収容所で母親を殺され能力を開花していった人。どうでもいいけどヴィゴ・モーテンセンに似てると思いました。
2つの方向から差別され地獄のような人生を送ってきた彼の「人間とは分かり合えない」という言葉は彼からすれば仕方のないことのように思う。実際彼の方がチャールズより言葉に重みがあります。本作の主人公はこの人です。しかし能力が発動したときにケビン・ベーコンを殺さなかったのは謎です。
個人的にはやはりマグニートーを応援してしまいます。幼少の頃から普通の人間世界で受け入れられず、仲間と思えた人間からも受け入れられず、それならもう世界と戦うしかないじゃないか!というのが悲しかったですね。



ミスティークの話もよかった。彼女が自分自身の姿を受け入れるという部分も重要なポイントだ。彼女は一目でミュータントとわかる外見をしている。それをどう受け入れて生きていくのかというのは『X−MEN』としては重要な話だろう。それと彼女らが合コンみたいな感じでお互いの【能力】を見せ合うシーンもとてもよかったと思います。あんなにはしゃいでいるのは初めて自分を認めてくれる人に出会えたからですよね。




というわけでアクションも良し、ドラマも良し、そんでもってシリーズおなじみのキャラもちょいちょい出てきたり嬉しい補足(マグニートーのだっさい帽子には深い意味があったとは)もあるのでファンはもちろん、そうでなくても見る価値のある映画だと思います。