リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『アジョシ』を見た。

そのおじさん、殺人マシーンにつき

誘拐された隣の家の少女を救うため、おじさん立ち上がる。


ウォンビンが異常にカッコいい。ま、カッコよすぎてどうなのとも言えるのですがね。本人がこの役を熱望し、訓練も積んだということで体のキレも抜群でまたキマってるんですね。無駄な動きがないというプロフェッショナル感も感じました。
アクションは『ボーンシリーズ』みたいな所もありますが、それでも大変カッコいいのは間違いないのでこれは大きな見所です。ナイフさばきは特に凄いと思いますよ。肩や胸にドスッドスッグチョグチョグリグリとやっていくのは面白いですね。必要以上に残酷に見えるし。ラストにある一人対大人数とのナイフ対決は最高ですよ。



そんなウォンビンが追う悪役のマンソク兄弟のタイプの違う極悪な感じも大変素晴らしい。特に弟のサイコでファンキーな感じが良かった。蛇みたい。ドライヤー拷問中もいやらしい顔してました。兄貴もまた卑劣な野郎だし良い顔してますよ。こいつら二人は悪役兄弟の良い例として記憶されるものでしょう。
彼らの用心棒として出てくる男の<オス感>も良いですね。敵でありながら男として認めあう感ビンビンでね。ビンビンです。
この2組を追う刑事達の存在感や顔も素晴らしい。本作の一番の良いポイントはこのように出てくるキャラがたってると言う事なんじゃないでしょうか。



ただ、この映画不満なところもありまして、それはまず女の子が誘拐される前、ウォンビンと別れる辺りで自分の孤独な心情を吐露するわけです。その台詞がちょっと説明的すぎやしないかというのと、「ガキがそんなこと言うかよ・・・」と思えるところです。
そしてラストですね。最終決戦の前に<ある悲劇>が起こるのですが、それがもう観客には先がばっちり読めるんですよ。だからウォンビンの怒りが頂点に達した時、彼が行う大殺戮はカッコいいけど見ている側のテンションはそこまでいってないのがもったいないですね。
その後のシーンも感傷的すぎてあまり好ましくありません。ダメな日本映画に見られるほどでは全然ないのですが、2回同じようなシーンがあるのはいただけない。あれだけ少しロリおじさんに見える・・・。


とはいえ最初に書いたようにナイフ格闘や、それ以外でもアクションは全てかなり気合入っていて、それを見られるので満足できます。キャラ立ちもビンビンです。それでもうこの映画は楽しいものになっているので気になっているなら見るべきだと思います。

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