リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『カウボーイ&エイリアン』を見た。

出オチ

『アイアンマン』シリーズのジョン・ファブロー監督作。原作は2006年発売のグラフィックノベルだそう。西部の世界にエイリアンがやってきてどっかんどっかんやると言う単純な映画でありますが、予告編が良くできているなあと思い大変期待していましたが、タイトルのインパクト以上の興奮は得られませんでした。



良かった点というか見所はやはりジェームズ・ボンドとインディジョーンズが同じ場面に映っているという事でしょう。ハリソン・フォードに至っては見た目がインディだったりとニヤニヤしてしまうし『レイダース』のオマージュのようなシーンもある(やるのは007ですがね)。
それにヒロインを演じたオリビア・ワイルドは美人だなぁと劇中何度も思ってしまいましたね。『トロン レガシー』でもすごくよかったですよね(今回も役柄的にはほぼ同じだけど)。キャストは魅力的な人が多かったと思います。

また、本作最大のポイントである西部の町に突然宇宙船がやってきて街をぶっ壊していく様はもちろんそれなりに楽しいし斬新でもあると思う。ダニエル・クレイグがはめてる腕輪で良くわからん攻撃をするのもバカバカしくて楽しいし、最後には西部の男たち&インディアン&ならず者vsエイリアンのごちゃ混ぜ交流戦になるのも面白いとは思います。



ただ、どうかなと思う点も多い。まず宇宙人侵略物によく言えることだが大層な技術力を擁しておきながらなぜエイリアンどもは知性に欠けたような描写をされるのだろうか。今回の奴らはどこかカエルっぽく、それにプラスして『エイリアン』のあれにも似てる。もうどう考えても敵じゃないですか。そのくせ味方となると親しみやすい形で出てくるし。
その敵が人間をとらえる理由も、人間の弱点を調べて皆殺しにしたるぜ!ということらしいが、そんなことしなくたってすでに負けようがないくらい強いじゃないですかあなたたちは!意味ねぇ!そんなことするより金掘りに来たんだったら労働力にするとか(人間の心を捉える機械あるんだし)餌にしてる方が良かったのでは?


物語もどうなんだと言う部分がある。ハリソン・フォードのキャラクターは面白いし、疑似親子の「お前が息子だったなら・・・」とか<男になる>というエピソードはベタだけど個人的に弱いので良かったと思うのだが、実際の彼の偉大なるバカ息子であるポール・ダノは全然物語に関係してない。それなのに最後はそっちの親子関係もちゃんと改善されてる雰囲気で終わるのよ。全然それ関係ないでしょ。


さらにこの映画、あまり西部劇としての意味がないような気もする。最初と最後は基本を抑えてるというか、要は『シェーン』的な感じだが、あとは普通にSFアクション。西部の男たちはエイリアンの相手にならないので基本逃げるか狩られるだけ。最終的には外宇宙の技術で解決。どうせならその時代の武器や知恵を集結したようなものが見たかったものだ。



というわけで、文句も多いけどやはりインパクトはあるし、ハリソン・フォードの役は結構好きです。中盤のインディアン登場以降はトンデモ感がどことなく溢れだし、最終対決での「お、お前はあの時の・・・!!」展開もばかばかしくて笑える楽しい映画ではあると思います。

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