リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

『タイタンの逆襲』を見た。

世界的親子喧嘩2
2010年に公開された『タイタンの戦い』の続編。あれから10年後のお話だそうです。その間にペルセウスの子供はすっかり成長し、ペルセウス自身は髪が伸び、アンドロメダは戦い疲れでか金髪になってしまったようです(嘘)。



魔物クラーケンの危機から都を救った半神ペルセウス(サム・ワーシントン)は、今は漁師を生業とし平和な暮らしを送っていた。一方、ゼウス(リーアム・ニーソン)ら神々は危機を迎えていた。人々が神に祈らなくなり力が弱まったことで、かつて封印した巨神族が解き放たれようとしていたのだ。そこで、ゼウスはペルセウスに「力を貸してくれ」と頼むものの断られる。ならばと兄弟へ協力を申し出たゼウスだが、兄ハデス(レイフ・ファインズ)と半神の息子アレス(エドガー・ラミレス)に裏切られ、巨神族の王であり父であるクロノス復活のため、タルタロスの牢獄にとらわれてしまう。そして魔物たちは解き放たれ、世界は危機を迎える・・・というストーリー。



たしか前作の公開後、主演のサム・ワーシントンが、「この作品の出来に不満があるのは分かるよ」と言っていたと思います。確かにその通りで、僕もがっかりした記憶があります。特にお話が大変なことになっていたので、今回はそこを改善してくるのかと思ったら全然違くてもうそっちは完全に捨てた感じでしたね。まさにご都合主義という展開で、化け物とか神様が暴れていないシーンは心底どうでもよかった。あと新キャラも総じてどうでもよかったと思います。最終的にキャラが立ってこないんですよね。ポセイドンの息子、最後の戦いのとき何してたの?という感じ。



ただ、いいなと思うところもありました。まず開始早々から化け物が襲って来たりリーアム・ニーソンがぼこぼこ殴られたりとかですね。かったるい説明がない分展開が早い。あといろんな化け物と神様が出てくるというのは、見世物として間違ってないと思います。
特にクロノスのウルトラな巨大さは小学生マインドを刺激してきました。「でけーっ!」て感じ。でかい意外にあんまり特徴はないんですが、まあそれでいいんです。あとクロノスが封印されてる場所がだんだん『ロード・オブ・ザ・リング』に出てくる「滅びの山」みたいになっていきますが(もしくはバルログ)、それも悪くないというか、かっこよかったです正直。



あとやっぱりゼウス&ハデスコンビによる突撃は爆笑でしたねー。これで目からもビームとか出していたらサムアップ!という感じでしたけど、さすがにそこまではしませんでした。続編を作るなら彼らがもっと若いころのお話が見たいなー。とにかくゼウスとハデスとポセイドンが暴れまくる続編を作るべきだと思いました。



しかしですよ。どうもクリーチャーにしても神様にしても最初のインパクト以上の面白さは感じませんでした。「そうやって攻めてくるか」みたいなさ。見せ方の工夫があまりなく、基本的に肉弾戦というはちょっと残念でした。クロノス降臨にしても、ちょっとあっけない感じですよね。ゲームだともうほぼ作業に近いラスボス戦みたいな。もっと猛威ふるっていこうよ。
神様の方もキャッキャ喜びましたが、ちょっと惜しいと感じました。特にゼウスがハデスに「力を合わせるぞ兄者!」と言って協力プレイするところです。ここでハデスはなんだか黒いオーラを纏っているんですけど、結局ゼウスと一緒に波動みたいなものを放出するだけなんです。なんかもうちょっとハデスなりの何かを見たいなぁと思いましたね。この二人がもっとパワーを発揮するところが見たいんですよとにかく(二回目)。



というわけで、文句もありますが見どころはちゃんとあり、前作よりは面白くはなっているかなあとも思います。次回作があるならもっとストーリーは省きドンドン派手にしていけばいいと思います。本作も100分越えしていないのはエライと思うけど、最も短くてもいきましょうよ。

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