リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

2012年に見た旧作ベスト。

2012年も残すところあと数日。つまり、そろそろ今年の映画を振り返る時期です。このブログでも毎年ベストを発表していますが(今見返すと「え?なんでこの映画こんな下なの?なんでこの映画こんなに高評価なんだ・・・」と思うこと多々)、今日はその前哨戦というか、今年見た旧作のベストです。ただベストと言ってもランキングではありません。年代順に並べただけです。それではいってみましょう。



『白熱』(1946)
『真昼の決闘』(1952)
東海道四谷怪談(1959)
ガス人間第一号(1960)
『赤い天使』(1966)
『博奕打ち 総長賭博』(1968)
江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969)
『徳川いれずみ師 責め地獄』(1969)
『昭和残侠伝 死んで貰います』(1970)
『徳川セックス禁止令 色情大名』(1972)
『直撃地獄拳 大逆転』(1974)
沖縄やくざ戦争(1976)
『トラック野郎 度胸一番星』(1977)
『1/880000の孤独』(1978)
ダーククリスタル(1982)
『L.A.大捜査線/狼たちの街』(1985)
カイロの紫のバラ(1985)
いつかギラギラする日(1992)
デモリションマン(1993)
『地獄』(1999)
『モンキー・ボーン』(2001)
『SPL/狼よ静かに死ね』(2005)


『白熱』のジェームズ・キャグニーのように破壊へ向かってスパークしていく人が好きなんですね。「やったぜママ!世界一だ!」
『真昼の決闘』は、ここに『ダーティハリー』の元ネタがあったのかと。これは自分が見た西部劇の中では相当好きな作品ですね。
中川信夫監督は『地獄』がすごく好きで、それで『東海道四谷怪談』もずっと気になっていたのですが、ようやく見る機会が。もちろん怪談噺ですが、何より美しい。オープニングのワンカットも印象的ですが、伊右衛門が相棒の直助を殺す場面、あるモノが一瞬挿入される場面が素晴らしいです。
ガス人間第一号』のような特撮はそんなには見ないんだけど、見るとだいたいは面白いのでもっと掘っていきたいと思う。『美女と液体人間』『妖星ゴラス』『宇宙大戦争』辺りをまず見ようかな。あと今年見たのだと『吸血鬼ゴケミドロ』も凄く面白かったです。
今年は増村保造にちょっとハマっていたのですが、『赤い天使』は見た中でも特に好きですね。これと『盲獣』はホントに最高。
石井輝男の作品も、去年見た『ポルノ時代劇 忘八武士道』が超絶素晴らしかったので色々見ました。『恐怖奇形人間』は東京に行ったときにたまたま名画座でかかっていたので見ることができました。えー、とんでもない作品でしたね。振り回されまくりです。おかーさーん!他にも石井輝男作品は『責め地獄』『直撃地獄拳』『地獄』などエロ・グロ・バカなどばかり挙げましたが、こういうのができるのは『網走番外地』とか『黒線地帯』(マネキン倉庫での乱闘が『非情の罠』っぽい)みたいな映画をかっちり面白く作れるからなんだろうなあ。
ちなみに、このリストは70年代東映作品が多いのですが、まあそういう趣味なんですよね。まだまだ注目作でも見てないのはたくさんあるので、来年もいろいろお世話になりそうです。
トラック野郎シリーズはどれも大変面白いのですが、『度胸一番星』は特に好き。『女王陛下の007』みたいだったりします。
『1/880000の孤独』は日本版『タクシー・ドライバー』。石井聰互監督作では『狂い咲きサンダーロード』『逆噴射家族』に次いで好きです。
ダーククリスタル』のような、ちょいと不気味なイマジネーション溢れる世界が僕は好きなんです。森の描写なんかは特に良かったですね。あと人形?の動きが素晴らしいです。
フリードキンの映画って「正気か狂気か」、みたいな作品が多いと思うんだけど、『L.A.大捜査線/狼たちの街』もそんな感じでしたね。まあ本作の主人公は間違いなく狂ってるんだけど。しかしあの展開は予想できなかったよ!
カイロの紫のバラ』、これは良かった。ウディ・アレンの映画はほとんど見たことなんだけど、本人が出演してない方がいいかもね。
80年代の深作作品はあまり興味がないんだけど、そこから抜け出してがっつりアクションをやった『いつかギラギラする日』は素晴らしい。自身の『資金源強奪』+『暴走パニック 大激突』みたいで、アナーキー且つ豪快で爽快。木村一八が死に際に若い警官に向かって言う「二十歳でそんな服着て恥ずかしくねえのかよ!」という台詞が最高にカッコいい。
デモリションマン』の、あの貝殻はどうやって使うんだろうね。
ティム・バートンと間違われがちなヘンリー・セリックですが、『モンキー・ボーン』なんかを見ると、バートンよりよっぽど病んでるという感じがします。ダークタウンの造形も諸々素晴らしいです。
『SPL/狼よ静かに死ね』を見て思ったんだけど、ドニー・イェンって最強なんじゃね?兄貴と呼ばさせていただこうか。ウー・ジンもとんでもなかったけど。



ベストとは別に思い出深い出来事といえば、今年一番初めに見た映画が『幕末太陽傳』のデジタル修復版だったこと。それと僕のオールタイムベストである『タクシードライバー』を午前10時の映画祭で見ることができたということですね。これは嬉しかったなぁ。



さて、旧作のおさらいも終わったので、次は2012年ベストでお会いしましょう。それでは。