リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

2014-01-01から1年間の記事一覧

『アメイジング・スパイダーマン2』を見た。

親愛ならざる隣人 2012年にリブートされたスパイダーマンシリーズの2作目。監督は引き続きマーク・ウェブで、主演コンビも続投。新キャストとして、ジェイミー・フォックス、デイン・デハーン、ポール・ジアマッティらが参加。前作に続き、日本は本国に…

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を見た。

星条旗よ永遠なれ 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の続編にして、マーベル・シネマティック・ユニバース9作目。監督は日本ではほぼ無名のルッソ兄弟。新キャストには、アンソニー・マッキーやフランク・グリロ。そしてロバート・レ…

最近見た旧作の感想その19

『桜の代紋』(1973) 三隅研次監督による刑事映画。現代劇は珍しいように思うが、主演はお馴染み若山富三郎。型破りな刑事を、文字通り体当たりの熱演で魅せる。その他、若いチンピラ役で石橋蓮司、ヤクザの幹部に渡辺文雄、そしてヤクザの親分役で大滝秀治が…

最近見た旧作の感想その18

『天国の口、終りの楽園』(2001) アルフォンソ・キュアロン監督による、男2人女1人のロードムービー。キュアロン監督作の特徴と言えば二つあると思っていて、一つ目はまず、主人公が象徴的に死を迎えた後生へと向かいだすということ。例えば『トゥモローワ…

最近見た旧作の感想その17

『サンライズ』(1927) F.W.ムルナウによるこの伝説的作品を、僕は初め「楽しもう」というよりは「お勉強」的な気分で見ていた。しかしこれが、まぁ画面に引き込まれるわ引き込まれるわ。とにかく面白い。都会から避暑のため田舎へと訪れた美女に誑かされる農…

『アナと雪の女王』を見た。

少しも寒くないわ 創立90周年を迎えたディズニースタジオによる、長編アニメーションとしては第53作目の作品。原作はアンデルセンの雪の女王だが、物語は大幅に脚色されている。第86回アカデミー賞では長編アニメーション賞と作曲賞を受賞。声優には、…

『それでも夜は明ける』を見た。

人間性の真夜中へ 黒人奴隷を題材とし、第86回アカデミー賞において作品賞、助演女優賞、脚色賞を受賞した作品。監督はイギリス人のスティーブ・マックイーン。主演はキウェテル・イジョフォー。その他、ルピタ・ニョンゴ、ベネディクト・カンバーバッチ、…

『ドラッグ・ウォー 毒戦』を見た。

毒を食らわば皿まで ジョニー・トー監督最新作で、記念すべき監督50作目。ジョニー・トーにとって初めて香港ではなく、中国を舞台にした作品となった。主演はルイス・クーとスン・ホンレイ。 中国の津海。車で衝突事故を起こした男が病院へ搬送された。男…

『ホビット 竜に奪われた王国』を見た。

いざ、スマウグの荒らし場へ。 1937年に出版された『ホビットの冒険』を原作とする3部作の2作目。タイトルは「The Desolation of Smaug(スマウグの荒らし場)」から「竜に奪われた王国」に変更。新たなキャストにはルーク・エヴァンス、エヴァンジェリ…

『スノーピアサー』を見た。

雪を超え雪を超え雪を超え、線路は続くよ、どこまでも。 『殺人の追憶』や『母なる証明』等で知られるポン・ジュノ待望の新作であり、ハリウッド進出第1作目。主演はクリス・エヴァンス。脇にはソン・ガンホ、エド・ハリス、ジョン・ハート、ティルド・スウ…

『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』を見た。

新しい未来追いかけながら 2005年に稼働を開始したアーケードゲームが、家庭用ゲームへの移植、シリーズ化、さらに2011年のアニメ版という流れを経て映画化。興行成績は39スクリーンでの公開ながら初登場5位を記録し、拡大公開も決定。監督はテレ…

『新しき世界』を見た。

The World is Yours 韓国で大ヒットし、多くの映画賞にもノミネートされ、さらにハリウッドでのリメイクも決定したマフィア映画。監督は『悪魔を見た』などを脚本家のあり、監督作としては本作が2作目となるパク・フンジョン。キャストにはイ・ジョンジェ、…

最近見た旧作の感想その16

『怪猫呪いの壁』(1958) 三隅研次監督による怪談映画。和泉国の藩主(伊沢一郎)は、前妻を失った後に我が子の乳母・志乃(近藤美恵子)を見初める。しかし殿の不在時に、勢力拡大を狙う者の策略により志乃は不義密通の汚名を着させられ殺されてしまう。死体は前…

『ラッシュ/プライドと友情』を見た。

追いかけて 追いかけられて 70年代に活躍したF1の伝説的選手であるニキ・ラウダとジェームズ・ハントのライバル関係を題材にした作品。監督は『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞を受賞したロン・ハワード。主演はダニエル・ブリュールとクリス…

最近見た旧作の感想その15

『緋色の街/スカーレット・ストリート』(1945) フリッツ・ラング監督によるフィルム・ノワール作品。長年銀行の出納係を務めてきたクリストファー・クロス(エドワード・G・ロビンソン)は、あるキティ(ジョーン・ベネット)という美女が、ジョニー(ダン・デュ…

『エレニの帰郷』を見た。

まわるまわるよ 時代はまわる 2012年に急逝したギリシャの巨匠、テオ・アンゲロプロス監督の遺作。『エレニの旅』に続く20世紀を題材とした3部作のうち2作目。主演はウィレム・デフォー、ブルーノ・ガンツ、ミッシェル・ピッコリ、イレーヌ・ジャコ…

『アメリカン・ハッスル』を見た。

嘘から出たまことから出た嘘 アメリカで実際に起こった「アブスキャム事件」を題材にした作品。監督は、『ザ・ファイター』や『世界にひとつのプレイブック』など、今最も調子のいい監督と言っても過言ではないデヴィット・O・ラッセル。キャストにはクリス…

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見た。

羊の皮を被る気のない狼 若くして巨万の富を得た実在の実業家、ジョーダン・ベルフォートによる回想録『ウォール街狂乱日記 - 「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生』を原作とした映画。監督はマーティン・スコセッシで、主演のレオナルド・ディカプリオとは…

『オンリー・ゴッド』を見た。

バンコク流れ者 『ドライブ』(2011)が高い評価を得たニコラス・ウィンディング・レフン監督の最新作。タイ・バンコクを舞台にした作品で、主演は『ドライブ』に引き続きライアン・ゴズリング。第66回カンヌ国際映画祭では、激しい賛否両論を巻き起こした。…

最近見た旧作の感想その14

『軍旗はためく下に』(1972) 深作欣二監督は学徒として戦争に参加し、終戦間際艦砲射撃に怯え、翌日バラバラになった死体を始末するという経験を持つという。水戸で終戦を迎えると、国はがらりと方針を変え、それにより、国と、大人に対する不信感を募らせた…

『Seventh Code』を見た。

黒沢鉄道は前田敦子を乗せて 黒沢清監督が前田敦子4枚目のシングル「セブンスコード」のミュージック・ビデオとして制作した1時間の作品。主演はもちろん前田敦子その人。共演には鈴木亮平、山本浩司、中国人女優のアイシー。ローマ国際映画祭において最優…

最近見た旧作の感想その13

『暗殺の森』(1970) ベルナルド・ベルトルッチ監督作。この人の作品で見たことがあるのは『1900年』だけで、あちらはイタリアにおけるファシズムの台頭から第2次世界大戦までを、過激な性と暴力を散りばめて描く(というか、その部分しか覚えてない)5時間越…

最近見た旧作の感想その12〜下半期ベスト編〜

あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いします。 さて、挨拶はこのくらいにして、さっそく2013年下半期に見た旧作の中から特別面白かったものを取り上げたいと思います。ちなみに、並びは順位ではなく五十音です。 『黄線地帯…