リンゴ爆弾でさようなら

91年生まれ。新作を中心に映画の感想を書きます。旧作の感想はよほど面白かったか、気分が向いたら書きます。

テン年代ベストテンに参加するよ

映画テン年代ベストテン - 男の魂に火をつけろ! ~はてブロ地獄変~ 2010年から2019年。人生で最も楽しかった大学生活から、就活浪人を経て、友達も話相手もいない片隅の田舎で死んだような社会人生活を送っている現在までの10年間のベストテンである。 思…

最近見た旧作の感想その39

『恐怖の火あぶり』(1979) 幼いころに受けた火あぶり虐待の影響で、大人になっても母親の支配から抜けられない青年・ドニーは母の死をきっかけに精神の病みっぷりを拡大させ、街ゆく女を屋敷に誘い込んでは焼き殺す恐怖の殺人鬼になる、というお話。トラウ…

『旅のおわり世界のはじまり』を見た。

YOUは何しに 黒沢清監督最新作にして自ら脚本を手掛け、オール海外ロケを敢行した作品。主演は前田敦子。共演には加瀬亮、染谷将太、柄本時生のほか、ウズベキスタンの俳優、アディス・ラジャボフら。 バラエティ番組のリポーター藤田葉子(前田敦子)は…

最近見た旧作の感想その38〜2019年上半期旧作ベスト〜

旅行記も書き終えたところで、恒例としている半年ごとの旧作ベストについて更新したいと思います。今年も相も変わらずの更新頻度となっておりますが、鑑賞数も例年に比べ少なありますが、その中でも、これは、と思うものについていくつか、順不同で書き連ね…

青森旅行記②

6月30日(日)・・・② 財布の一件も落ち着き、青森駅へと移動して友人と合流。二人とも昼食をとっていなかったので、偶然駅近くでやっていた肉フェス会場へと行くとこじんまりとした敷地にとんでもない人だかり。人を避ける人生を送ってきた二人は肉の匂…

青森旅行記①

6月29日(土) 田舎道にポツンと聳えるまことに不便な新函館北斗駅から、建設当初に比べると幾分マシになった気もする新青森駅へ向かうため新幹線に乗り込むととたんに眠気に襲われるが、どうせほとんど青函トンネルだから見る景色もないし、そもそも何度…

『さよならくちびる』を見た

僕はこんな歌で あんな歌で 『害虫』『カナリア』などで知られる塩田明彦監督最新作。主演は門脇麦、小松菜奈、成田凌。タイトルにもなっている主題歌を秦基博、挿入歌をあいみょんが手掛けたことも話題になっている。 全国7都市を回るツアーに出発するため…

『ヘレディタリー 継承』をワーストに選んだ理由について

去る12月、例年通り新作映画ベストテンについて更新したのだが (今年の映画、今年のうちに。2018年新作映画ランキング - リンゴ爆弾でさようなら)、そこでワースト5位に『ヘレディタリー 継承』を選んだところ、ワーストに選んだ理由を聞かせてほし…

『グリーンブック』を見た。

すてきなホリデイ 『ジム・キャリーはMr.ダマー』『メリーに首ったけ』などで知られるファレリー兄弟の兄・ピーターが監督・制作・共同脚本を務めた作品。主演はヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリ。第91回アカデミー賞において作品賞、助演男優賞、…

『女王陛下のお気に入り』を見た。

宮廷肉体労働 ヨルゴス・ランティモス監督最新作。主演はオリヴィア・コールマン。共演にレイチェル・ワイズ、エマ・ストーンら。 第91回アカデミー賞において10部門にノミネートされ、主演女優賞を受賞した。 18世紀初頭、フランスとの戦争下にあるイ…

最近見た旧作の感想その37

『恐怖の報酬』(1977) いかにもフリードキンらしいなと思ったのは、この作品が出口のない狂気にとらわれた者たちの映画だったからである。『真夜中のパーティー』、『フレンチ・コネクション』、『エクソシスト』、『L.A.大捜査線/狼たちの街』『ハンテッ…

年末年始旅行記

たまには志向を変えて単なる日記というもの、2018年の師走の30日から、年明けて1日の夜までの事情の少しばかりをこのブログでも書いてみようと思う。 12月30日(日) 欠航という最悪の事態こそ免れたものの、大雪のため出発が2時間遅れるという事態に見舞わ…

最近見た旧作の感想その36〜2018年下半期旧作ベスト〜

皆さんあけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。さて、先日の新作ベストテン記事にて予告したように、2018年下半期に見た旧作の中で特別面白いと思えた作品について、一言程度コメントを添えつつ紹介したいと思います。…

今年の映画、今年のうちに。2018年新作映画ランキング

年の瀬でございます。というわけで今年もやります、2018年に見た新作映画ベストテンです。今年鑑賞した新作84本の中から、次点も含めて11本を選びたいと思います。尚、新作の基準としては基本今年劇場公開となったものとしますが、地方ではタイムラグがあり…

『A GHOST STORY / ア・ゴースト・ストーリー』を見た。

心のなかのこの燈火が 『セインツ -約束の果て-』や『ピートと秘密の友達』で知られるデヴィット・ロウリー監督最新作。主演はケイシー・アフレック、ルーニー・マーラ。画面はスタンダードサイズが採用されている。 作曲家のCと(ケイシー・アフレック)と…

『寝ても覚めても』を見た。

きみと見つめ合わない 柴田友香によって著された同名小説の映画化。監督は『ハッピーアワー』などで知られれる気鋭・濱口竜介。主演は唐田えりか、東出昌大、瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉ら。第71回カンヌ国際映画祭にてコンペティション部門に選出された…

『きみの鳥はうたえる』を見た。

I spent much to be youth 佐藤泰志によって81年に書かれた同名小説の映画化作品。主演は江本佑、石橋静河、染谷将太。監督は『Playback』『THE COCKPIT』などで注目を浴びている三宅唱。 函館郊外の本屋で働いている「僕」(江本佑)は同居人の静雄(染谷将…

最近見た旧作の感想その35~2018年上半期旧作ベスト~

相変わらず亀にすら追いつけないほどのスローペース更新が続いている当ブログではございますが、時間は早いもので今年ももう上半期がおわりましたので、恒例の旧作ベストについて書きたいと思います・・・と言っている傍からすでに上半期が終了して一か月が…

『万引き家族』を見た。

オトンとボクと、時々、いもうと 是枝裕和監督最新作。主演はリリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、城桧史、佐々木みゆ、樹木希林ら。第71回カンヌ国際映画祭にて、最高賞のパルム・ドールを受賞した。 寒い冬の日。治(リリー・フランキー)と翔太(城…

『孤狼の血』を見た。

狼のおまわりさん 柚月裕子によって書かれた同名小説の映画化。キャストは役所広司、松坂桃李、真木よう子、江口洋介、石橋蓮司、ピエール瀧、竹乃内豊、伊吹吾郎、音尾琢真、遠藤賢一ら。監督は白石和彌。 2つの暴力団の間で抗争の火種が起こっていた昭和63…

『リズと青い鳥』を見た。

キラキラで目が眩むけど 2013年に刊行され、2015年にはアニメも制作された『響け!ユーフォニアム』の続編且つスピンオフとして制作された作品。監督は『映画けいおん!』『たまこラブストーリー』『聲の形』などの山田尚子。声の出演に種崎敦美、東山奈央ら。…

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』を見た。

割れたタマゴ ニューヨーク・タイムズによって暴露された政府の最高機密文書=「ペンタゴン・ペーパーズ」をめぐる実話の映画化。メリル・ストリープ、トム・ハンクス、ボブ・オデンカーク、トレイシー・レッツらが出演。監督はスティーブン・スピルバーグ。 …

最近見た旧作の感想その34

『悲しみは空の彼方に』(1959) 公開から59年も経つこの作品が未だ色あせぬ傑作として存在していられるのは、現代にも通じる黒人差別問題をはらんでいる、つまりは今日的な要素を含んでいるから・・・などという理由によってではない。もしそうであるとする…

最近見た旧作の感想その33〜2017年下半期旧作ベスト〜

皆さんあけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。 さて、早速ですが、昨日の新作ベストテン記事にも書きましたように、2017年下半期に見た旧作の中で特別面白いと思えた作品について、一言程度コメントを添えつつ、紹介し…

今年の映画、今年のうちに。2017年新作映画ランキング

年の瀬でございます。というわけで今年もやります。2017年に見た新作映画ベストテンということで、今年鑑賞した新作81本全てに順位をつけます。尚、新作の基準としては基本今年劇場公開となったものとしますが、地方の場合都内とはタイムラグがありますので…

最近見た新作の感想その21

『女神の見えざる手』 極めて視界良好な作品であって、異常に開けたガラス窓が全編に渡って登場人物を取り囲んでおり、まるでここにいる誰もの行動が見透かされているようである。しかしながら、ジェシカ・チャスティン演じるスローンの動機や、その行動自体…

『予兆 散歩する侵略者』を見た。

そうさ僕らはエイリアンズ 『散歩する侵略者』のアナザーストリーとして制作され、wowowで放送された全5話のドラマを劇場版として再編集した作品。主演は夏帆、染谷将太、東出昌大ら。監督は本編と同じく黒沢清。脚本は黒沢監督とは久々のタッグとなる高橋洋…

『アウトレイジ 最終章』を見た。

太刀魚の味 2010年に公開された『アウトレイジ』シリーズの3作目にして最終章。監督は北野武。北野武、西田敏行、塩見三省、白竜、金田時男らが前作に引き続き出演し、大森南朋、ピエール瀧、大杉漣らが新登場となった。 山王会と花菱会の対立の果て、韓国の…

『散歩する侵略者』を見た。

あれは夕陽だよ 黒沢清監督の新作にして、劇団・イキウメの同名舞台の映画化作品。主演は長澤まさみ、松田龍平、高杉真宙、恒松祐里、長谷川博己ら。 数日間行方不明となっていた夫・真治(松田龍平)が、まるで別人となって戻ってきた。妻・鳴海(長澤まさみ)…

『ジェーン・ドウの解剖』を見た。

わたしは死にました 『トロール・ハンター』で知られるアンドレ・ウーヴレダル監督最新作。2016年度ファンタステック・フェストのホラー部門において最優秀作品賞を受賞した。日本では松竹エクストリーム・セレクションの第1弾として公開。主演はブライアン…